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4/15週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・ドル円は152円を超えたことで更なる上昇の可能性。
・円安が続いた場合は介入が入る可能性が高い。
・アメリカはCPIが上振れた為、利下げ予想が6月から9月に後ろ倒しに。結果、ドルが買われる展開。
・ユーロにおいてはラガルド総裁が6月利下げを示唆したことで売られる展開。
・イスラエル、イラン問題によるリスクオフが株安、円買いに繋がる可能性。


 先週のドル円はとうとう152円越え。防波堤を突破したことで更なる円安の可能性が高まっています。果たして介入はあるのでしょうか。


 先週も日本関連の主なトピックはありませんが、冒頭の通り、とうとう152円を突破しました。毎日口先介入?を続けていますが、円安はその程度は止まらないと思われます。また、財務官からはファンダメンタルズに沿っていないとのコメントも聞かれますが、他国との金利差を考慮すると円安になることこそがファンダメンタルズに沿った動きと思います。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 個人的には何度か触れている通り、政府としては選挙まではこれ以上円安になって欲しくないと考えている可能性が高い、と考えています。先週発表の実質賃金は23ヶ月連続でマイナスとの結果でしたが、円安が進行した場合は更に輸入物価が高まり、実質賃金のマイナス幅が広がります。また、中東の情勢不安もあり、原油価格が高騰していることが物価高に更なる追い打ちをかけそうです。

 

   ※引用:日経(画像クリックで記事にアクセス)



 よって、選挙も見据えてこれ以上の円安を阻止すべく、為替介入を実施する可能性は十分にあると考えています。ファンダメンタルズとの乖離が大きいといったワードを日々コメントしていますが、これは介入をする為の口実の一つとしているのではないかなと考えています。その為、昨年以上に為替介入の可能性は高まってきているのではないかなと考えています。


 アメリカにおいてはCPIが想定を上振れました。個別の内容を見てもサービス価格などの上昇が見られ、インフレの底堅さが感じられます。結果、6月における利下げの確率が減少し、長期金利が上昇したことで大きくドル買いに傾いています。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)






   アメリカ10年債 ※引用:Nikkei225.com



 個人的には雇用統計の雇用はあてにならない為、下落しつつある平均時給に引っ張られる形でCPIも下落トレンドに入ると予想していましたが、残念ながらハズレ。このCPIの結果は6月の利下げ論を否定することになります。やはり利下げする為には、CPIが下落している(下落トレンドが出来ている)、という明確な理由が必要と思われます。よって、現時点でのCPIが上振れた時点で2ヶ月後の利下げは考えづらいです。

 現状では9月での利下げが有力視されていますが、個人的にもその辺りが妥当かなと考えています。市場は6月利下げ論を織り込み切っていたと思われますので、長期金利の上昇は当然の状況です。まだ7月の利下げ論と、9月の利下げ論、双方の信者が居ると思われますので、7月利下げ論が否定されれば更なる長期金利の上昇が考えられます。もちろん、この先の経済指標次第ではありますが、その可能性は大いにあり得ると思われます。

 そうなった場合、クロス円通貨は更なる円安へと進む可能性が高いです。日銀的にはアメリカの利下げを待つつもりだったと思われますが、更に数ヶ月後ろ倒しになった場合、更なる円安進行、物価上昇が待っています。そうなれば、場合によっては為替を理由に利上げをする可能性もあるかと思われます。もちろん、直接的に円安が理由とは言わないと思いますが、(円安によって)物価上昇の基調が強まっている、という理由で利上げをする可能性はあるのかなと考えています。


 ユーロにおいては、政策金利の発表がありました。結果は想定通りの据え置き。しかし、ラガルド総裁が6月における利下げを示唆したこと、そしてアメリカCPIが上ぶれたことで相対的にユーロが売られる展開となりました。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 ただ、6月の利下げは既に織り込み済みである為、長期金利に関してはそこまで大きな変動にはなっていない状況です。しかし、いよいよ実際の利下げが近づいてきていますので、6月に向けて徐々に長期金利は下落していくと思われます。また、6月の利下げがほぼ確定したとなれば、次の焦点はその後の年内の追加利下げ有無と、その時期になります。よって、HICP等の経済指標が下ブレた場合は、その先の利下げを織り込んで更に長期金利が下落し、ユーロが売られ易い展開になる可能性が高そうです。


   EU10年債 ※引用:楽天証券



 纏めると、ドル円は上昇(円安)を続けており152円を超えている状況です。このまま物価高が加速した場合は追加利上げの可能性もありそうです。アメリカにおいてはCPIが上ぶれたことでドル買いが加速。利下げ時期予想が6月から9月へと後ろ倒しになったことが主な要因と考えられます。また、ユーロに関しては政策金利が据え置きとなりましたが、ラガルド総裁が6月における利下げを示唆したことで売られる展開になりました。

 また、懸念材料としてイスラエルとイランの問題が出てきています。イランがイスラエルと攻撃したことで戦争へと発展する可能性が出てきており、リスクオフの可能性があります。リスクオフの場合は株価の下落及び、円が買われる展開になります。しかし、戦争系のリスクオフ問題は割とすぐに織り込み切るため、円安の流れを断ち切るほどの長期的な円買いトレンドには繋がらないと思われます。

 以上を考慮すると、対ユーロにおいては円は買われる展開になり易いかもしれません。しかし、対ドルに関しては基本的には売られる展開になり易いのかなと考えています。少なくとも、変化がない限りでは円が大きく買われる展開は考えづらいかなという状況です。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルはアセンディングトライアングルを上にブレイクした為、更なる上昇の可能性。
・日足レベルでも3波動目の上昇となっており、更なる上昇の可能性。
・週足においても大きなトライアングルを上抜けた為、更なる上昇の可能性。
・テクニカル的には上昇一択。


 先週のドル円は152円越えをしたことで上昇トレンドの継続。テクニカル的にはより一層の上昇の可能性が高まっています。


 4時間足においては、長きにわたるアセンディングトライアングルを上に突破したことで上昇トレンドが再開。上昇3波動目っぽいですし、Nのラインまでもまだ距離がある為、まだ上昇する余地があります。介入示唆もあり、少し上昇の勢いに鈍さがありますが、テクニカル的には上昇に賭ける方がオッズの高い選択になるかと思われます。




 日足レベルでも3波動目の上昇中。こちらもまだN完成のラインまでは距離があり、上昇の余地があります。よほどのことがない限りこの上昇トレンドが崩れるとは思えない為、基本的には押し目からの上昇が続く展開なのかなと思います。




 週足的レベルでは、2022年から始まったアセンディングトライアングルを上にブレイク。テクニカル的にはここから数十円の上昇が見込める展開です。もちろん、急騰した場合はどこかで介入を入れて止めると思われますが、介入が無い限りはジリジリと上昇し続ける(円安)展開になるかと思われます。




 テクニカル的に、週足レベルのアセンディングを突破しましたし、ファンダメンタルズ面を考慮すると、ドル円はこのまま上昇し続けると思われます。よって、基本的には押し目買いをすべき展開です。ただし、介入をしてくる可能性もある為、損切りは徹底しながら押し目買いをしていくべきかなと考えています。

 それでは今週もがんばりましょう!

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