FXブログロゴ FXブログロゴ

4/21週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日本はCPIが下落するも、コアコアは上昇。
・アメリカは中国との関税戦争が激化。
・ユーロ圏は利下げを発表。
・ファンダメンタルズ的にはトランプ関税への各国の対応次第で大きく変化しそう。


 先週のドル円は下落継続。関税問題が二転三転としていますが、徐々に為替は織り込んできており、反応は薄くなってきています。


 先週発表のCPIは**3.2%**。しかし、コアコアCPIが上昇してきており、根強いインフレが続く可能性があります。トランプ関税の件で株価が下がっていなければ、日銀は賃金の上ブレとCPIを理由に利上げを検討していたでしょう。

   ※引用:Bloomberg (画像クリックで記事にアクセス)



 しかし、4月会合では植田総裁が指摘するように経済の不確実性が高まっているため、利上げは見送られる見込みです。よって、この点では円安圧力にはならないでしょう。


 アメリカにおいてはトランプ米大統領は全輸入品に一律10%の基本関税を課し、さらに日本に対して24%、中国に対しては既存の20%に加え34%を上乗せするなど、主要貿易相手国に対して高率の関税を発表しました。結果、国内株価も急落。雇用統計の結果は上振れでしたが、先行きは不透明です。



 トランプ大統領は中国製品への追加関税を125%に引き上げ、翌10日には145%に修正しました。急激な関税の引き上げは米中間の貿易戦争を一段と激化させ、市場にはリスクオフの動きが広がりました。しかし、中国からの輸入品は容易に代替できず、関税コストの増加は消費者物価を押し上げ、インフレ圧力を強める可能性があります。 ​

 トランプ大統領はFRB議長ジェローム・パウエル氏の解任を「早いほどありがたい」と発言し、利下げ圧力をかけました。ドル安を誘導しようとする意図が見えますが、貿易摩擦によるインフレ懸念が高まる中では簡単に利下げに踏み切れず、中央銀行の独立性に対する懸念からドル相場の不安定化リスクが増大しています。

   

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)




 ECBは4月17日の理事会で預金金利を**2.50%から2.25%**に25ベーシスポイント引き下げました。利下げ発表直後、ユーロはドルに対して0.5%ほど下落し、一時1.0750ドル台まで軟化しました。また、リスクオフの動きから円買いも進み、ユーロ/円も155円前後まで低下。低金利政策が長期化すると見込まれる中で、短期的にはユーロ売り・ドル買い・円買いのトレンドが強まる可能性があります。ただし、景気支援策としての効果が浸透すれば、年後半にはユーロ圏への投資ファンダメンタルズが見直される局面もあり得ます。



   EU10年債 ※引用:楽天証券


 
 纏めると、先週のドル円は下落を継続し、関税の行方が二転三転しました。日本では3月CPIが3.2%と高水準で推移しつつ、コアコアCPIの上昇から根強いインフレ圧力が懸念され、日銀は経済の不確実性を理由に4月会合で利上げを見送りました。一方、米国ではトランプ大統領が全輸入品に一律10%の基本関税を課し、日本製品に24%、中国製品に既存20%に加え34%を上乗せ。さらに4月9日には中国製品への追加関税を125%に引き上げ、翌日145%に修正して貿易戦争を激化させました。加えて、パウエルFRB議長の解任示唆により利下げ圧力が強まりましたが、インフレ懸念から容易に利下げに踏み切れない状況が続いています。

 以上を踏まえると、ファンダメンタルズ面では、日銀の利上げ見送りが円買いを抑制する一方、米国の高関税措置やインフレ再燃懸念がドル高を後押しするリスクもあり、為替市場は今後も不安定な動きを続けると考えられます。各国の政策動向や貿易交渉の行方を引き続き注視する必要があります。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルではジリジリとした下落が続いています。
・日足レベルは下落3波動目。
・週足レベルでは下落トレンド転換。基本的には下落が続きそう。
・テクニカル面では長期的な下落トレンドへと転換。


 先週は円高傾向が継続。今後この流れは続くでしょうか?


 4時間足においてはジリジリとした下落が続いており、更なる下落が続きそうな雰囲気があります。ただ、短期的には下落が進み過ぎているため、戻り高値までの上昇がみられてもおかしくはなさそうです。




 日足レベルでは下落3波動目が継続。しかし、こちらも短期的に下落が進み過ぎているため、戻り高値までの上昇がみられてもおかしくはなさそうです。




 週足的レベルでは、下落転換が確定しています。基本的にはこのまま下落が続く可能性が高そうです。




 トレンドは下落。よって、戻り高値狙いをすべき場面ですが、ファンダメンタルズ要素によってかなり展開が変わってきそうです。よって、深追いはしない方が良いかもしれません。

 それでは今週もがんばりましょう!

HOMEに戻る