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9/9週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・やはり日銀には利上げを進める意思があり、相場に折り込ませていっている。
・アメリカは雇用統計が悪化したことで長期金利が低下。
・ユーロ圏は9月利下げも考えられる。
・ファンダメンタルズ的には円高要素が増加した。


 先週のドル円は週明けこそ上昇しましたが、その後はジリジリとした下落。アメリカの雇用悪化を受け、一時的に141円台まで円高が進みました。


 日本発の大きなトピックはありませんでした。強いて言うなら、日銀が利上げについて再発信している点でしょうか。先週の諮問会議にて、植田総裁は改めて利上げを継続する旨を表明しました。もちろん、物価見通し達成ならばという条件付きではありますが、8月上旬の株価急落時に囁かれていた「利上げ停止説」は消えつつあるかと思われます。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 植田総裁の発言翌日以降、相場は円高および、株価の下落といったかたちで対応しています。もちろん、アメリカの材料悪化の影響も受けているかと思われますが、アメリカの株価以上に大きく下落する日本株においては、この植田総裁の発言の影響が大きいのかなと思われます。経済状況が不安定な際は利上げはしないとも表明している為、相場は日銀の利上げを止めるためにも株価を大きく下落させる可能性があります。

 ではその利上げの時期はいつなのか?ですが、現状、有力な説は12月の会合時と言われています。しかし、それまでの間に日本の総裁選、アメリカの大統領選、そしてFOMCの利下げといったイベントが控えています。株価を中心とした経済状況を大きく揺り動かし得るイベントが多く控えていることを考えると、果たして12月に利上げが行われるかは分かりません。実際に利上げを実施するかどうかは、直前まで分からないのではないかと考えています(警戒し過ぎる必要は無い)。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)




 アメリカでは、ISM製造業・非製造業景況指数及び、雇用統計の発表がありました。ISM製造業・非製造業景況指数に関しては前月比で増加していますが、在庫が増加している等、悪材料も目立ち始めています。雇用統計に関しては前月比ではプラスとなっているものの、想定からはマイナス。そして何より、前月、前々月の数値を大幅に下方修正しています。結果、長期金利は3.75%あたりのサポートラインを割って下落している状況です。





 雇用統計については正直、どこまで信頼して良いのか分かりません。昨年から殆どの統計で大幅な下方修正を見せており、信頼性に疑いがあります。前月比ではプラスとなっていますが、果たして本当にプラスなのか分かりません。今回の雇用統計の結果を受けて、9月FOMCにて0.25%の利下げになるのか、或いは0.50%の利下げになるのか、利下げ幅が決定されると言われていました。しかし、前回よりも上振れている雇用、平均時給、改善している失業率、そしてISMの上振れを見る限り、0.50%の利下げと断言できる状況ではありません。そもそもの数値に信頼性が無いので何とも言えませんが、利下げ幅についてはFOMCの発表を待つしかなさそうです。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)




 ユーロ圏においては、重要な材料の発表はありませんでした。しかし、長期金利についてはアメリカ市場の影響を受けて下落。8月上旬の安値に近づいて来ている状況です。


   EU10年債 ※引用:楽天証券


 ユーロ圏は9月における利下げ有無について意見が割れている状況です。しかし、先々週の材料悪化を受け、利下げに踏み切るとの見通しが多少高まっている状況です。仮に利下げをした場合、若干のサプライズがある為、ユーロ円は大きく下落する可能性が高いです。その辺りはアメリカと同様、実際の発表時まで不透明かなと考えています。


 纏めると、日本は12月に利下げを実施するとの見方が高まっています。アメリカにおいては雇用統計の結果が前月比で改善している為、利下げ幅が不透明です。ユーロにおいても、9月における利下げ有無について不透明な状況です。

 以上を考慮すると、ファンダメンタルズ的には大きく円安方向に為替を動かす要素は無さそうな気がします。当然ながら株価は下落するかと思われますが、だからと言って円安になるわけでは無いので、為替市場においては円高圧力が継続するのかなと考えています。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルでは下落トレンド続行
・日足レベルではまだ戻し(上昇)してもおかしくはない状況。
・週足レベルではレジ・サポラインを割った為、下落転換の可能性が高まった。
・テクニカル的では、中期的には上昇・下落どちらもあり得るが、大きな流れは下落。


 先週のドル円も下落。8月上旬につけた141.6円に接近している状況です。


 4時間足においては一度MA100を超えましたが、ファンダメンタルズも相まってすぐに下落。結果、それが騙しとなって大きな下落へと繋がっています。今はちょうどライン上で止まっている状況ですが、仮にこのラインをぶち抜いた場合、もう一個下のラインまで到達する可能性があります。その場合は、140円を割る展開になるかと思われますので、今週はまずはこのラインを割るかどうかに注目かなと考えています。




 日足レベルではMA100との乖離が大きいまま再び下落。戻り高値をつけたとは言えない展開ですが、既に直近の安値に接近してきている状況です。140円あたりに抵抗帯が見えますが、仮に安値を割り3波動目の下落となる場合、そのまま140円を割る下落へと繋がる可能性が高そうです。よってファンダメンタルズ面も相まって基本的には下落トレンド続行かつ、140円を割る展開になりそうですが、MA100との乖離が大きい為、再度戻る展開も考慮しておいた方が良いかもしれません。




 週足的レベルでは、アセンディング突破後の上昇が終了。そして、MA100を確定的に割りました。もし今週も陰線が続くようであれば、週足レベルでも本格的な下落転換と言って良い展開になります。その場合の下落幅を予想するのは難しいですが、この上昇が月足レベルの3波動だったとするならば、130円を割るところまで落ちる可能性もあり得そうです。




 下落トレンド続行ということで、テクニカルだけで言えばこのまま下落が続く可能性が高そうです。しかし、依然としてショートした場合のスワップ損は大きい為、これまでの円安のような勢いで一方的に下落し続けることはないのでは無いかと考えています。おそらく、テクニカルに沿って波動を作っていくかと思われますので、これまでの円安トレンドよりかはトレードし易い展開になるかもしれません。

 それでは今週もがんばりましょう!

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