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8/19週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・キャリートレード勢が戻って来たことで円安に。
・総裁選の行方によって為替は大きく動く可能性がある。
・アメリカは緊急利下げ等の鷹派意見が減少。
・ユーロ圏は特にトピック無し。
・ファンダメンタルズ的には相場を大きく動かす要素が無い。


 先週のドル円は週明けから終始上昇。アメリカの経済指標が上振れたことにより、今年度中の利下げ予想回数が減少。長期金利が上昇し日本との金利差が広がったことで、キャリートレード勢が戻って来ている雰囲気があります。


 週明けのクロス円通貨は戻り高値を形成しながらも上昇継続。このパターンは、6月まで2年間続いていた強い円安圧力を思い出させます。今週は、為替を大きく動かすような日本由来の大きなトピックはありませんでしたが、岸田首相が次回総裁選に出馬しないとの表明があり、一時的に円高へと動きました。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 不出馬表明により、金融政策のスタンスが分からなくなったということで一時的にキャリートレード勢が円を買い戻したものと思われます。しかし、すぐに高値更新へと繋がったあたりを見ると、誰が総理大臣になっても日銀は利上げができないものと思われている可能性があります。

 しかし、最有力候補とされている石破茂氏、河野太郎氏は利上げをすべきというスタンスです。この二人が総理大臣として任命された場合は利上げが進む可能性が高く、円高への動く可能性があります。しかし、メディアは小泉進次郎氏を推している感があります。華があるからなのか、裏があるからなのかは分かりませんが、非常に強く推している感があります。為替観点から見ると、小泉氏の金融政策スタンスは不明である為、今のところ未知の領域が多い感があります。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 ここ最近は、利上げを続ければ円高も相まって株価が下がり、利上げをしなければ株価は上がるが円安は続くという状況です。ただし、これ以上の利上げをしないということは緩和政策を続けるということになり、いずれはアルゼンチンやトルコのように破綻することになります。よって、日銀が舵取りをする金融政策は今後の日本にとって最重要項目の一つであり、それに対するスタンスは総裁選前に必ず問われると思います。よって、その際のスタンスによっては為替インパクトとなり、相場を動かす可能性が高そうです。


 アメリカでは、CPIの発表及び、小売売上高、住宅着工・建設許可件数の発表がありました。CPIはほぼ想定通り横ばいの状況。しかし、小売売上高は大きく上振れ。長期金利が大幅に上昇しましたが、週末の住宅着工・建設許可件数が大きく下振れ他ことで再び長期金利が下落している状況です。





 CPIに関しては想定通りの横ばいです。4ヶ月連続のコア指数の減少によって、9月の利下げ理由確率を上げることになりました。一方、インフレ率がほぼ横ばいになっているという結果は、雇用統計の結果が悪ぶれた際に叫ばれた緊急利上げ、9月会合時に0.5%の利下げ、年内最低5回の利下げ実施、といった鷹派な意見を一掃することになりました。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 そして、翌日の小売売上高の大幅な増加は、雇用統計時の混乱を完全に打ち消すものとなり、長期金利の大きな上昇へと繋がりました。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 クレジットカードの延滞率が記録的な上昇を見せているにも関わらず、これだけ上振れるのは信じ難い結果ですが、住宅・建設関連の指標に関しては大きく落ちて来ています。小売は未だ堅調ですが、大きな買い物、企業の投資は落ちて来ており、アメリカ経済の減速感を表す結果となっています。よって、再び長期金利は下落。9月の利下げについては再び高確率で実施されるといった風潮に戻ったのではないかなと考えています。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)




 ユーロ圏においては、重量材料の発表はありませんでした。長期金利も横ばいの状態です。


   EU10年債 ※引用:楽天証券


 今週も相場を急変させる要素は特に無さそうですが、各国でPMIの発表があります。大きく下振れた場合は長期金利の下落につながりますので、要注意かなと考えています。


 纏めると、ドル円は日本の利上げ観測の後退と、アメリカの利下げ観測の後退により、長期金利の差がまだ縮まり辛いとの見方が広がり、円安トレンドが再開。150円付近まで戻っています。しかし、アメリカは今後確実に利下げを実施するでしょうし、金利差は縮まっていきます。その際、為替が連動するかどうかには要注目かなと考えています。

 以上を考慮すると、ファンダメンタルズ的には円高要素が増えていきそうな印象が強いです。しかし、キャリートレードはまだ美味しいということで、円安が続く可能性もありそうです。しかし、日本の次期総理大臣の金融スタンスによっては利上げが支持され、再び円高トレンドへと転じる可能性もありますので要注意です。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルでは上昇、下落、どちらもあり得そうな状況。
・日足レベルではまだ戻し(上昇)してもおかしくはない状況。
・週足レベルではレジ・サポラインを割っており、下落トレンド転換へのチャレンジが始まった。
・テクニカル的では、中期的には上昇しそうだが、その後は再び下落に転じる可能性が高そう。


 先週のドル円は戻り高値を形成しながらも上昇継続。テクニカルを凌駕するファンダメンタルズといった構図に戻りつつあります。


 4時間足においては下落5波動目が終了したということで上昇。戻り高値を形成し、落ちていくパターンとなっていました。しかし、結果的には長めのレンジを形成した後に上昇。2波動目が長過ぎる為、この上昇が3波動目と言って良いのかは分かりませんが、上昇継続の状況です。テクニカル的にはここで落ちていけば典型的な戻り高値からの下落となりますが、そのまま上昇した場合は3波動目の上昇ということで、大きめの上昇となりそうです。どちらに転ぶかは現段階では分からない為、動いた方向に着いて行くスタンスが良いかなと考えています。




 日足レベルでは一気に下落した分を戻している状況。1波動目の下落があまりにも大きかった為、戻りの上昇も大きいです。161円から141円までを1波動目と捉えた場合、まだ40%程度の戻りです。日足のMA100とはまだ乖離している状況ですし、もう少し戻りの上昇が入る可能性があります。そう考えると、今後は4時間足レベルの3波動目の上昇が見られる可能性が高いのかなと思われます。




 週足的レベルでは、アセンディング突破後の上昇が終了。ただし、まだ週足レベルで転換したとまでは言えません。こういったアセンディングのライン付近で揉み合った後、ビルドアップを経て再び上昇するパターンもあります。よって、MA100を確定的に割って行くまでは、上昇の範疇なのかなと考えています。(ちょうどMA100付近で反発している状況)




 昨年12月、今年の4月に続き、本当に久しぶりの本格的な下落の流れです。テクニカルだけで言えば、長期的にはこのまま下落が続く可能性が高そうです。ただ、大きく動いた後は必ず反動がある為、ずっと一方向に動き続けるとは考えず、短く、確実に取って行った方が良いかもしれません(今までのずっと続いていた上昇トレンドは異常)。

 それでは今週もがんばりましょう!

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