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7/29週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日本は日銀リークによって円高になるも、金曜引けにはほぼ全戻し。
・クロス円通貨は日銀会合次第で大きく方向が変わる可能性。
・アメリカはGDPが上振れたが、さほど影響なし。
・ユーロ圏においてはインフレ指標の落ち着きにより、長期金利も下落。


 先週のドル円は再び急落。政策金利決定会合前のお決まりのリークがあり、ドル円は一時的に152円まで下落しました。


 先週は上記の通り、政策金利決定会合前ということでお決まりの日銀リークがありました。内容としては日銀はが利上げについて議論するという内容。これを受け、長期金利は上昇し、円が大きく買われる展開となりました。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 ドル円においては、テクニカル面も相まって157円台から一時的に152円を割るところまで下落しました。先々週からの円高の動きを見る限り、政策金利決定会合が相当、警戒されているなと感じます。特に海外においては利上げを実施するといった予測が根強いようで、キャリートレードの終焉という見方をされているようです。

 

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 では果たして、日銀は本当に利上げするのか?というところですが、答えはNoだと考えています。日銀は為替を理由に金利を決定しません。しかし、ここ最近の財務省の度重なる介入や、日米関係者の円安への否定的な発言を見る限り、これ以上の円安については、日米ともに警戒感を持ってストップをかけたい意向があるように見受けられました。よって、より一層の円安が進んでいる状況であれば、日銀は円安の主要因である金利を上げざるを得ない状況になっていた考えます。

 しかし、先週ブログで記述した通り財務省や日銀は金融緩和を継続したいでしょうし、金利も上げたくは無いはずです。よって、財務省がこのタイミングで介入を実施したのだと考えています(勿論、選挙前の物価の安定等々、様々な理由があると思われる)。介入後はどうせすぐ円安に戻ると思われていましたが、現在は想像以上に円高が進行している状況ではないかと思われます。よって、日銀としては今、リスクを負ってまで動く必要はありません。よって、利上げは実施しない可能性が高いと思われます。

 ただ、海外勢からするとそれはサプライズです。海外では、流石の日銀も利上げするだろうという憶測が広まっています。勿論、今回会合のもう一つの焦点である「国債買入減額」の程度にもよりますが、結局、いつも通り大した変化なしだった場合、一気に円安が進む可能性が高いです。よって、今回会合の焦点は国債買入額の程度になるかと思われます。どの程度の減額であれば市場が評価するのかはわかりません。しかし、マイナス金利解除時のような微小な変化量だった場合は、その際と同様の動き、つまり急激的な円安進行が見られる可能性がありそうです。


 アメリカでは、PMIとGDPの発表がありました。PMIについては強弱入り混じる結果でしたが、GDPに関しては大きく上振れ。しかし、GDPは遅行指数である為、インフレが再燃して来ているとは言えないのかなと考えています。





 また、大統領選では民主党代表からバイデン大統領が降り、ハリス氏が就任したことで民主党の支持率が上昇。日本のメディアではハリス氏がトランプ氏を逆転したとの報道すらありました。しかし、実際は未だトランプ氏がリードしている状況です。ただ、ハリス氏も急激な追い上げを見せており、実際の選挙ではトランプ氏を上回る可能性は十分あります。

 仮にトランプ氏が大統領に就任した場合は、先週のブログでも述べたようにドル安・円高政策を取る可能性が高いです。輸入自動車に関しては関税200%をかけると表しており、日本の円安メリットを潰し込んでいく展開が想定されます。ただ、もしハリス氏が大統領に就任した場合はどうなるか分かりません。まだハリス氏の方針は明らかに成り切っていないいない為、もしかすると、為替インパクトがあるのはハリス氏が大統領に近づいたときになるかもしれません。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 また、今週はFOMCが開催されます。今回の利下げの可能性はほぼ無い為、焦点はパウエル議長の発言になるでしょう。利下げに向けて順調に進んでいる等の安牌な発言が出た場合は若干、米金利が下落し、円が買われる展開になるかもしれません。しかし、逆の発言が出た場合は米金利上昇及び、円は売られる展開となる為、注意が必要かなと考えています。


 ユーロ圏においては、PMIの発表がありました。結果は順調な下落。インフレの着実な沈静化を感じさせる展開となりました。結果、長期金利は下落しています。


   EU10年債 ※引用:楽天証券


 一部の噂レベルではありますが、次回の政策金利会合にも利下げがあるのではないかと噂されています。アメリカとは違い、ユーロ圏のインフレ率はそれほど着実に落ち着いて行っている状況なのかなと感じます。長期金利についても再び2.4%を下回るところまで落ちて来ており、利下げへの期待感を感じさせる状況です。利下げ有無について現段階では断言できませんが、次回のHICP等のインフレ指標が大きく下振れた場合は現実味を帯びてくるかもしれません。


 纏めると、利上げするかもというお決まりの日銀リークによって、円は売られる展開となりました。しかし、アメリカのGDPが上振れたことも、テクニカル的な流れも相まって再び円安基調に戻っています。日銀の政策変更が小さかった場合は再び大きく円安になる可能性もある為、今週の日銀政策金利決定会合には要注意です。アメリカのいてはGDPが上振れたことで長期金利が上昇。ただし、GDPは遅行指数である為、気にするほどではないかもしれません。ユーロ圏は順調なインフレ沈静化を見せており、長期金利も下落しています。

 以上を考慮すると、、日銀が動かなかった場合は再び円安圧力が強まっていく可能性が高そうです。政策金利決定会合を控えており、そこに向け、為替の動きは小さくなっていくかもしれません。その後の動きについては日銀次第になるのかなと考えています。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルでは戻しの上昇が見られるかもしれない(会合次第になるが)。
・日足レベルでは修正波としての上昇の後、大きく下落するかもしれない。
・週足レベルではレジ・サポラインで止まるか、割るかで今後の流れが大きく変わりそう。
・中期的には上昇後に大きく下落する可能性があるが、日銀の動き次第になりそう。


 先週のドル円は下落したものの、行って来いに。ここからの動きによって長期的な流れが変わって来そうです。


 4時間足においては一旦、下落トレンドが終了したかもしれません。見方によっては3波動にも見えますが、5波動進んだと捉える人が多いのかなと考えています。また、上位足における強力なサポートラインのところで跳ね返されており、このまま大きく上昇する可能性もあります。個人的には日足レベルの修正波と見ており、3波動程度進んだ後に再び大きな下落へと繋がる可能性があると考えています。ただ、その下落までは上昇。もちろん日銀の動き次第にはなりますが、個人的にはショートはもう狙い辛い展開なのかなと考えています。ただ、先ずは日銀会合を待ち、その後の動きを見て方針を再考した方が良いかもしれません。




 日足レベルでは昨年12月以来の本格的な下落。久しぶりにMA100を確定的に割りました。個人的には、1波動目の下落が終わり、上記で述べた修正波としての上昇(2波動目)を見せた後、再び下落(3波動目)するシナリオが一番オッズが高いのかなと考えています。ただ、日銀の動き次第では、結局円安じゃんパターンも十二分に考えられる為、会合を待った方が良いでしょう。




 週足的レベルでは、アセンディング突破後の上昇がまだ続いていましたが、再びアセンディングのラインに接近。152円の強力なレジ・サポラインによって跳ね返される展開となっています。仮にこのラインが週足レベルで確定的に割られた場合は、短期足でよく見られる上昇は騙しで下落が本命のパターンになるかもしれません。逆にここから再び上昇を再開した場合は、レジ・サポラインでのビルドアップを経て大きな上昇が見られるパターンとなります。どちらに転ぶかはまだわからない為、要注目かなと考えています。




 昨年12月、今年の4月に続き、本当に久しぶりの本格的な下落の流れです。果たしてこれが本格的なトレンドになるのかは分かりませんが、潮目になる可能性はありそうです。よって、ボラティリティが大きくなりそうですが、深追いはし過ぎず、確実に取って行った方が良いかもしれません。

 それでは今週もがんばりましょう!

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