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7/8週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・円安の流れは変わらず。
・日銀が動くかどうかで長期的なクロス円トレンドが変化する可能性。
・アメリカは雇用統計をはじめ、材料が下ぶれたことで長期金利が下落。
・ユーロも消費者物価が下振れたことで、追加利下げが少しずつ見えはじめている。
・金利面をクローズアップした場合、ファンダメンタルズ的には円高要素が揃いつつある。


 先週もドル円は高値更新し、162円を越えようかという展開。その後は少し下落気味ですが、押し目になりそうな雰囲気を漂わせています。


 日本発の大きなトピックはありませんでしたが、クロス円通貨は軒並み円安。海外の利下げムードが高まる中、円だけが一方的に売られる展開に変化は無い状況です。先週発表された東京CPIに関しては想定を上回る上昇。これは円安要因だと思われますが、物価上昇の加速を考慮した政府は先月、電気、ガスの補助金継続を決定。次回選挙に向け、物価高対策に力を入れていることが伺えます。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 また、長期金利に関しては1%超えの状況。YCCも撤廃していますし、長期金利の上昇を止める為に躊躇なく緩和することは無いと思いますので、このまま緩やかな上昇を続けるものと思われます。

 その長期金利及び、為替に対して大きな影響を与え得るのは次回、日銀政策金利決定会合での動き。日銀は国債買入の縮小及び、利上げについて触れています。しかし、円が売られ続けているあたりを考慮すると、恐らくあまり信じられていません。よって、仮にここで本当にその二つの政策変更を実行した場合は、一時的に割と大きく円高方向に動くのではないかと考えています。しかし、逆に何もしなかった場合は、やっぱり何もしないんだなと思われ、急激的な円安を生じさせる可能性が高いです。よって、日銀は多かれ少なかれ動くしか無いと思われます。しかし、金融緩和は続けて欲しいが選挙まではこれ以上円安になって欲しくない、ただし大きく円高にはしたくない、と考えているであろう政府との間で難しい判断を迫られそうです。


   アメリカでは、先週は大きめの材料発表がありました。ISM製造業・非製造業、雇用統計と発表がありましたが、軒並み下振れ。インフレ鈍化が見える結果となっています。結果、長期金利も大きく下落しています。





 トランプ元大統領の大統領再就任の可能性が高まっていますが、就任時にはあと4回の利上げという報道も出ており、長期金利が一時的に大きく上昇していました。しかし、これら経済指標の結果を受け、長期金利は大幅に下落。近々での利下げが現実的になりつつある、と言った雰囲気を市場から感じます。

 特に雇用統計の結果は9月利下げ説を後押しするものとなっています。雇用者数の伸びが減速していることに加え、賃金上昇の継続的な鈍化が見られます。賃金の伸びが抑えられれば、物価上昇率も鈍化していく為、今週のCPIか、或いは次回CPIにはその影響が反映されることと思われます。ここ最近のCPIは鈍化せずに横ばい状態だった為、確実に鈍化している状況が見て取れれば、いよいよ利下げが見えてきます。個人的には9月も厳しいのではないかと考えていましたが、7~8月のCPIが連続して低下していった場合は9月の利下げが現実的になると考えています。次回CPIについては前年同月比で3.1%(前回3.3%)の予想ですが、想定通りの結果になる場合、長期金利の低下が見られ、もしかすると円の買い戻しも見られる可能性がありそうです。


   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 ユーロ圏においては、HICPの発表がありました。結果は想定通り微妙な鈍化。ただ、アメリカの長期金利下落の煽りを受けて長期金利は下落している状況です。


   HICPI結果 ※引用:Investing.com




   EU10年債 ※引用:楽天証券



 ユーロ圏のインフレ率自体は下落を続けていますが、ここ最近はほぼほぼ横ばいの状況です。その他経済指標も大きく下落しているわけではなく、経済悪化が目に見えている状況でもありません(緩やかに落ちているとは思うが)。よって、近々で利下げをする必要性もない為、金利が大きく変動する状況では無いかもしれません。どちらかと言うと、アメリカの金利市場の影響を大きく受けている印象がありますので、アメリカの利下げ動向に目を向けた方が良さそうです。


 纏めると、日本は円安が止まらないさまざまな手段を講じていますが、どれも効果は乏しく、利上げするしかない状況に追い込まれつつあります。ただし、アメリカは利下げが見え始めていますし、ユーロ圏のインフレ率もだいぶ鈍化してきています(もはや日本以下)。

 以上を考慮すると、金利面におけるファンダメンタルズ要素だけで言えば、円高要素が揃いつつある状況です。しかし、円安が進んでいるあたり、日銀は利上げしないと鷹を括られている、或いは長期的目線で日本は成長しない、と考えられている可能性があります。ただし、逆回転(円高方向に)し始めた場合は、一気に動きそうなので、その点は要注意いかなと考えています。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルでは上昇トレンド。
・日足レベルでも、まだ上昇継続しそう。
・週足においてはプルバックからの上昇継続。
・テクニカル的には上昇の可能性が高そう。


 先週のドル円は週末に下落。久しぶりに週末に下落して終わりました。


 4時間足においてはまだまだ上昇トレンド。上昇トレンドが続いていましたが、久々にまともな下落となっています。ただ、まだ上昇の範疇。これが再び押し目となるのか、或いは一度上昇した後、下落転換するのかは今の状況では分かりません。押し目となる可能性の方が高そうではありますが、そこについては見極めた方が良さそうです。




 日足レベルではまだ上昇の範疇。まだ上昇が続きそうな形になっています。MA100から乖離し始めており、さすがにそろそろストップがかかりそうですが、4時間足が下落転換するまでは下落は考えなくて良さそうです。よって、押し目狙い。まだ流れは変わっていません。




 週足的レベルでは、アセンディング突破後、プルバックが入っている状況。短期足でよく見られる展開として、プルバック後に更なる大きな上昇が見られることがあります。テクニカル的にはまだあと10円以上の上昇が見込まれる状況なので、基本的には上昇トレンドが続く可能性が高いのかなと考えています。




 展開的には長期足のトレンドに迎合し、上昇を続けています。テクニカル的には上昇のオッズが高そうである為、今週もまだ押し目買いが良さそうな感じです。

 それでは今週もがんばりましょう!

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