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6/24週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日銀は利下げを示唆しているが、円安は相変わらず。
・日本の為替介入はアメリカから強い牽制を受けている状況の為、円安になり易い可能性。
・アメリカ発の材料は特に無し。
・ユーロ圏においても新たな材料は特に無し。


 先週のドル円は、再び一方的な円安トレンドに。気が付けば160円が再び見えてきています。


 先週は特に大きなトピックがありませんでしたがなぜか強い円安に。強いて言うならば、植田総裁の来月会合にて利上げする可能性があるという言葉と、アメリカの監視リストが今後の円相場に影響を与える可能性があります。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



   ※引用:NHK(画像クリックで記事にアクセス)



 植田総裁の利上げ可能性についての言及については、国債買入額の減額と同じく円安に対する牽制だと思われます。しかし、個人的にはこの発言は墓穴を掘る可能性があると考えています。昨年何度かマイナス金利解除について報道がありましたが、会合時に解除に踏み切らなかったことで強い円安トレンドが見られた事が何度もありました。その為、もし7月会合時に利上げをしない、また国債買入額の減額も大したものでなかった場合、やはり日本は利上げできない(する気がない)のだなと見なされ、結果的に相当強い円安トレンドに発展する可能性があります。

 また、アメリカからは監視リスト国とされており、為替介入に対して牽制をかけられている状況です。そのため、為替介入の実施はおろか、為替介入をチラつかせることで円安に歯止めを掛ける、口先介入作戦もし辛い状況かと思われます。

 アメリカを除く世界各国は利下げが始まっており、逆に日本は長期金利が上昇している状況です。しかし、円安は止まりません。これは政府、日銀としては想定外だったと思われます。自民党としては、選挙対策として実質賃金のプラス化をアピールする為、円安への歯止めをかけたいはずです。しかし、円安を抑える事ができていない為、突如、電気・ガス代の補助金再開を発表しました。各官僚からしてみても驚きだったとと報道されており、円安が進んでいるが為に急遽実施したものと思われます。各方面から風当たりが強くなる可能性もあり苦肉の策だと思いますが、円安が続く状況の中、選挙を見据えて仕方なく実施に踏み切ったのでしょう。

   ※引用:livedoor News(画像クリックで記事にアクセス)



 補助金を再開したあたり、政府としては円安に対しては打つ手なしで白旗を上げている状況だと思われます。よほどの状況でない限り介入が使えないとなると、やはり日銀が利上げする他、円安を止める手立ては無さそうです。果たして次回会合で日銀が動くのかはわかりませんが、いつも通りの「不動」だった場合は、強い円安トレンドが待っていると思います。


 アメリカでは小売売上高とPMIの発表がありました。小売売上高は想定を下振れましたが、PMIは想定に対して上振れ。結果的に、長期金利は先週と比較して微妙に上振れている状況です。





 それ以外の大きなトピックは無し。利下げ予想は変わらず9月となっています。9月利下げ論を正当化する為には、当然ながら7月雇用統計、CPIの下落が必須です。もしこの二つの指標が現状維持、或いは上昇してしまった場合は9月利下げ論は無くなる可能性があります。そうなれば更にドル高、円安になりますので、来月におけるこの二つの指標の重要性は非常に高そうです。


 ユーロ圏においては、フランスのブレクジットから始まるユーロ圏崩壊への警戒感が少し和らいだ1週間でした。結果的に、株価、長期金利は微上昇しています。


   EU10年債 ※引用:楽天証券



 次の利下げについてはまだ大きなトピックとして上がってきていない状況です。よって、まだまだ先だろう、と見られているということでしょう。追加利下げの為には、やはりHICPを中心とした経済指標が更に下落する必要があると思われます。よって、利下げに関する話題での金利の乱高下は暫く見られない可能性が高そうです。


 纏めると、日本は円安が止まらないさまざまな手段を講じていますが、どれも効果は乏しく、利上げするしかない状況に追い込まれつつあります。為替介入も暫くは使えないと思いますので、円安圧力は継続しそうな状況です。アメリカ、ユーロについては主なトピックは無し。あまり状況変化がありませんでした。

 以上を考慮すると、ファンダメンタルズ面においては、円高要素が増えつつあります。しかし、円安が進んでいるあたり、日銀は利上げしないと鷹を括られている可能性があります。為替介入も出来なさそうなので、円安の流れは続きそうです。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルでは上昇トレンド。
・日足レベルでも、まだ上昇継続しそう。
・週足においてはプルバックからの上昇継続。
・テクニカル的には上昇の可能性が高そうだが、ファンダメンタルズの変化によりトレンド転換の可能性も。


 先週のドル円は一方的な上昇。ファンダメンタルズ的には円買いになりそうなシチュエーションですが、長期トレンドに沿って上昇を続けています。


 4時間足においては、押し目からの上昇。もはや波動論も何も関係ないのでは?と言いたくなるほど上昇が続いています。今回の上昇も、昨年からずっと見られるMA100を割ってから急激的に戻ってくる「挫折回帰」パターンです。もう何度目かは分かりませんが、とにかく4時間足レベルの下落は良い買い場となり続けています。上位足も上昇トレンドのままですし、基本的には下落したら押し目買いというのが基本路線かなと考えています。




 日足レベルではまだ上昇の範疇。これが5波動目なのかはわかりませんが、良い感じの押し目を経て上昇している状況です。5波動目であれば上昇波動は末期ということで転換も考えられますが、この強い円安トレンドを考慮すると正直、波動論もサイクル理論も信じられません。取り敢えず、基本的には前回高値である160.2円は超えるのかなという形となっています。




 週足的レベルでは、アセンディング突破後、プルバックが入っている状況。短期足でよく見られる展開として、プルバック後に更なる大きな上昇が見られることがあります。テクニカル的にはまだあと10円以上の上昇が見込まれる状況なので、基本的には上昇トレンドが続く可能性が高いのかなと考えています。




 展開的には、今のところはまだ長期足のトレンドに迎合し、上昇を続けています。テクニカル的には上昇のオッズが高そうである為、今週も基本的には押し目買いが良さそうな感じです。ただし、ファンダメンタルズ要素の変化により、下落トレンド転換する可能性も出てきていますので、流れが変わった場合は、すぐにショート狙いに切り替える必要がありそうです。

 それでは今週もがんばりましょう!

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