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6/3週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日本は長期金利が1%を突破。
・介入についてはアメリカから牽制を受けているため実施し辛く、円安が進行。
・アメリカはインフレ指標が高止まりしており、利下げ時期が定まらない状況。
・ユーロ圏においても指標が上ぶれたことで長期金利が上昇気味だが、利下げ予想は6月のまま。


 先週のドル円は更なる高値更新をしましたが、月末要素も相まって乱高下。しかし、最終的には戻ってくるあたり、円安の底堅さを感じさせます。


 先週は10年ぶりに長期金利が1%を超えました。しかし、円安については止まる気配なし。それに対し、鈴木財務官は「行きすぎた為替の動きに対応する考えに変わりが無い」、「金利の上昇は財政を悪化させる」と発言。円安を止めつつ、金利の上昇も止めたいといった意図が伺える発言がありました。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 長期金利が上昇しつつあるので、日本と世界の金利差が縮まることで円安に歯止めがかかっても良いような気がしますが、結果は円安継続。思惑通りの動きを見せないあたり、やはり市場は生き物だなと感じさせます。個人的には、過去10年間の莫大な金融緩和で円安にならなかった分、それを今、織り込んでいっているのでは?と感じています。

 円安に歯止めがかからない理由の一つに、イエレン長官の為替介入への牽制があると思われます。既に5回以上も牽制をかけており、少なくとも前回高値である160円を超えるまではアメリカから了承を得られないのでは?といった考え方が市場に漂っている感じがします(これは勘です)。金利差は縮まってきているとは言え、未だその差は大きいですし、アメリカの利下げもどんどん遠のいていっている状況です。よって、キャリートレード勢はまだ安心して円を売っていられると考えていると思われます。

 また、日銀は基調的なインフレ率を捕捉するための指標を発表しましたが、全指標が前年度比で2%を下回っていました。これはインフレ率は2%を割り込んでいく、つまり日銀が利上げをする理由は無いといった捉え方をされます。よって、少なくとも次回会合においても利上げを実施する可能性も低そうですし、円売りを妨げる要素がまた一つ減っている状況なのかなと考えています。

   ※引用:ロイター(画像クリックで記事にアクセス)



 アメリカはPCEデフレーターの発表がありましたが、結果は想定通り高止まりで横ばい。サプライズはありませんでした。



 この結果はアメリカのインフレの底堅さを感じさせますし、利下げを迫るような結果にはなりません。よって、少なくとも6~7月のFOMCにおいて利下げをする確率というのは限りなく低くなりつつあるでしょうし、長期金利を下落させる要因にもなり得ませんでした。



 また、トランプ大統領が有罪判決という報道がありましたが、これは円安要因になり得ます。トランプ大統領はかねてからドルが強過ぎると発言しており、就任した場合は円高要因となる可能性があります。よって、トランプ大統領が大統領に就任しない場合は更なる円安要因へとつながる可能性がありそうです。

   ※引用:ロイター(画像クリックで記事にアクセス)



 ユーロ圏においてはCPIの発表がありました。ドイツ、フランスにおいては前年同月比で若干の上振れ。ユーロ圏全体のHICPでも同傾向で、前年同月比で+0.1%の2.5%となりました。その結果を受け、長期金利は若干上昇しています。




   EU10年債 ※引用:楽天証券



 ユーロにおいては来月での利下げが有力視されています。日本のインフレ率とほぼ同程度ではありますが、ユーロは利下げ、日本は利上げと対照的です。ただ、この利下げについてサプライズはなく、市場は既に織り込み切っています。もちろん、実際の発表と共に金利が下落することが予想されます。しかし、債券市場においては先に利下げを織り込み切ってしまっている為、その次の利下げへと繋がり得る指標の大幅な低下が見られない限り、指標発表では金利は下落しないのでしょう。ただ、ユーロ圏におけるインフレ率は着実な下落傾向となっている為、今の長期金利の上昇は長く続かないのでは無いかと考えています。


 纏めると、イエレン長官の発言もあり日本は為替介入をし辛い状況、しかし金利を上げることも渋っている状況である為、まだまだ低金利は続く可能性が高いと見られ、円売りが続いています。アメリカにおいては指標が若干の上振れとなっており、利下げ時期を探る展開が続いています。ユーロ圏においてもCPIが若干上振れていますが、インフレ率は目標とする2%台となっており、6月における利下げ確率が低下するほどでは無い状況です。

 以上を考慮すると、ファンダメンタルズ面においてはまだ円安圧力が続く可能性がありそうです。しかし、海外、特にアメリカの指標が下振れ、金利が下落し始めれば、円安圧力は一旦、終了となりそうです。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルでは転換の可能性もあるが、結局上昇継続しそう。
・日足レベルでは上昇継続しそう。
・週足においてはプルバックしているように見える(上昇波動継続?)。
・テクニカル的には上昇の可能性が高そう。


 先週のドル円は月末要素も相まって乱高下。読み辛い展開となりました。


 4時間足においては、緩やかな上昇が継続。このパターンはそのまま上に行き続ける展開になる可能性が高いです。もちろん、直近安値:156.3円を割って行った場合は、下落トレンド入りする可能性がありますが、ここ2年間はずっとこの展開から上昇しています。ファンダメンタルズ要素が変わらない限り、4時間足トレンドが上向いているうちは短期足が上昇転換する場面を狙うのが良いのかなと考えています。




 日足レベルでは、上昇継続で5波動目開始っぽい雰囲気です。浅い押しからの上昇が続いていますが、ここ1年間はずっとこの展開です。ファンダメンタルズ面に大きな変化が無ければ、このまま160円を超える上昇へとつながる可能性が高そうです。




 週足的レベルでは、アセンディング突破後、プルバックが入っている状況。短期足でよく見られる展開として、プルバック後に更なる大きな上昇が見られることがあります。テクニカル的にはまだあと10円以上の上昇が見込まれる状況なので、基本的には上昇トレンドが続く可能性が高いのかなと考えています。




 展開的には長期足のトレンドに迎合し、上昇を続けています。テクニカル的には上昇のオッズが高そうである為、今週も基本的には押し目買いが良さそうな感じです。

 それでは今週もがんばりましょう!

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