FXブログロゴ FXブログロゴ

4/22週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・ドル円は152円を超えたことで更なる上昇の可能性。
・政府、日銀は円安に対して圧をかけているが、行動が伴わない為、時間稼ぎにしかならない可能性が高い。
・アメリカは先週時点から変化無し。利下げは9月説が有力。
・ユーロにおいてはラガルド総裁が6月利下げを示唆したが、織り込み済みの為、長期金利の変化はなし。
・イスラエル、イラン問題によるリスクオフは終結した可能性。


 先週のドル円は154円後半まで上昇。イスラエルとイランの問題により一時的に円高方向に動きましたが、結局戻ってくるあたり力強い円安圧力を感じさせる展開です。


 先週は大きなトピックはありませんでしたが、円安を牽制したいのだろうな、と感じさせる発言が各方面から聞かれました。勿論、日々口先介入はしているのですが、それは全く効果無し。財務省は次の一手として、G20にて円安について報告をすると発言。これは、為替介入についてのお墨付きをもらうぞ、という脅しを市場に向けて発信したかったのと、あわよくばアメリカ側からの円安牽制発言を期待したのだと思われます。しかし、為替には全く影響無し。会議後の会見にて、イエレン財務官と問題を共有したと鈴木財務官が発言していましたが、完全なる無風でした。やはり、この1年間介入するという脅しを連発し過ぎたことで、結局実施しないんでしょ?という感覚が染み付いてしまったことが要因だと思われます。

   ※引用:NHK(画像クリックで記事にアクセス)



 全く円安牽制になっていない中、日銀からは当面緩和は継続するものの、夏頃に利上げをするとの報道が出てきています。つい前日には緩和的な金融環境は当面継続と発言したことで、リスクオフで円高になった分を一瞬で戻していましたが、翌日の公演では利上げの可能性が非常に高いと発言。円安牽制発言が出てきている状況です。

   ※引用:ロイター通信(画像クリックで記事にアクセス)



 しかし、余程円安になるか、CPIが上振れない限り利上げはしないのではないか、と個人的には考えています。本音は緩和を継続したい、それを市場に織り込ませておきたい、だと思われます。しかし、それでは円安圧力が高まり続けてしまう為、それを中和する為の利上げ発言だと考えています。

 現段階ではアメリカの利上げは7~9月頃と言われています。その為、そこまでは過度な円安トレンドを抑え込みたい、というのが政府、日銀の思惑でしょう。先週触れたように過度な円安、そして輸入物価の高まりによるCPIの上振れが見られた場合は、物価の基調的上昇の実現を理由に利上げを実施すると考えられます。しかし、その段階でそこまで円安(現時点の154円から)が進行していない場合は利上げはしないと思われます。

 要は時間を稼ぎながら、のらりくらりと海外の利下げを待つというのが作戦なのでしょう。国債残高、政策等、様々な観点からして、政府、日銀ともに利上げ及び、緩和の停止はしたくない筈です。しかし、もしアメリカの利下げ時期が更に後ろ倒しになった場合は、利上げせざるを得ない状況に追い込まれるのではないかと考えています。そういった利上げをせざるを得ない状況に追い込まれるか、アメリカの利下げが見えてきた場合は円高方向に動き出すと思われますが、状況が変わらない限り現在の円安圧力は弱まらないと考えています。


 アメリカにおいては先週小売売上高の発表がありましたが、結果は想定の上振れ。根強いインフレへと繋がり得る結果となっています。



 また、イスラエルとイランの報復問題の影響を受けてリスクオフの展開に。加えてパウエル議長が利下げ開始時期の先延ばしを示唆したことで株価は低空飛行し、長期金利も引き続き上昇傾向が続いています。

 パウエル議長は利下げ時期の変更を示唆しましたが、先週時点で想定されていたアメリカの利下げ時期:9月から変化の変化は無いと思われます。相場は今はそれを織り込んでいっている状況でしょう。よって、クロス円通貨という観点で言えば、円安圧力に変化は無いと考えています。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 ユーロにおいては、一段のインフレ鈍化ならECBは利下げに向かうと、ラガルド総裁が発言。改めて6月利下げ論を強調する内容の発言となりました。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 たしかし、長期金利は下落せず。おそらく6月の利下げについては織り込み切ってしまっている為、この程度の発言では動かないということでしょう。しかし、先週も記載した通り、6月の実際の利下げが近づくにつれ、長期金利は徐々に下落を始めるだろうと考えています。よって、クロスユーロにおいては徐々に円高方向への圧力が強まる可能性が高いです。勿論、日銀や政府の発言次第では円の方が相対的に弱くなり、ユーロに対してもやはり円安の流れは止まらない可能性もあるので注意です。


   EU10年債 ※引用:楽天証券



 纏めると、イスラエル、イランの問題によるリスクオフにより一時的に円高方向に動きましたが、戦争は回避しそうということで円安圧力が戻ってきています。それに対して日本政府はG20で円安を話題に出すといった脅し文句や、イエレン長官に報告したと発表することで、市場に対して介入のお墨付きがあるんだぞといったメッセージを表しています。また、植田総裁からも夏頃に物価上昇次第では利上げを実施するといった内容を発信することで円安を抑えようといった動きが強まっています。市場はこのメッセージをどう解釈するかは分かりませんが、行動なき脅し文句にはいずれ効力を失っていくと考えています。アメリカ、ユーロに関しては先週時点から変化無しの状況です。

 以上を考慮すると、対ユーロにおいては円は買われる展開になり易いかもしれません。しかし、対ドルに関しては基本的には売られる展開になり易いのかなと考えています。植田総裁の発言がどれくらい影響を及ぼすかは分かりませんが、実際に利上げするか、アメリカの利下げが見えない限り、円が大きく買われる展開は考えづらいかなという状況です。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足、日足レベルはNに到達しているが、ここで止まるかはわからない。
・週足においては大きなトライアングルを上抜けた為、更なる上昇の可能性。
・テクニカル的には上昇一択。


 先週のドル円は154円後半まで上昇。レンジ気味の展開が続いていますが、こういった展開はパワーを溜め込んでおり、一気に爆発(円安方向に)する可能性があります。


 4時間足においては、レンジを経て急騰。イスラエルの報復報道で一時的にリスクオフによる急落がありましたが、同日中に戻しています。形的には一旦、3波動目のNまで達したようにも見えます。また、高値付近で抑えられてレンジっぽいような展開になっています。しかし、今の展開で円を売り続ける人は居ないと思われます。よって、昨年よく見られたようなNをブレイクして更なる上昇を見せるパターンか、押しはそこそこですぐに上昇を開始するパターンになる可能性が高いのかなと考えています。




 日足レベルでも3波動目の上昇中。4時間足と同様にNに到達しています。更に広義で見た場合でも、大きなNまでに達しており、通常であれば一旦、深押ししていく展開と思われます。しかし、昨年からの強力な円安トレンドにおいては押さずにそのまま上昇するパターンが多い為、そのまま上に行く可能性もあります。ただ、高値でロングしても介入リスクを背負うだけなので、基本的には押した時のみロングする方が良いのかなと考えています。




 週足的レベルでは、2022年から始まったアセンディングトライアングルを上にブレイク。テクニカル的にはここから数十円の上昇が見込める展開です。もちろん、急騰した場合はどこかで介入を入れて止めると思われますが、介入が無い限りはジリジリと上昇し続ける(円安)展開になるかと思われます。




 テクニカル的に、週足レベルのアセンディングを突破しましたし、ファンダメンタルズ面を考慮すると、ドル円はこのまま上昇し続けると思われます。よって、基本的には押し目買いをすべき展開です。ただし、介入をしてくる可能性もある為、損切りは徹底しながら押し目買いをしていくべきかなと考えています。

 それでは今週もがんばりましょう!

HOMEに戻る