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4/1週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・政府は3者整合を実施し、152円超えに対して圧力をかけている。
・政府は円安にも円高にもなって欲しくないと考えている可能性が高い。
・アメリカは主に新たなトピック無し。4月の経済指標が重要。
・EU、イギリスも主に新たなトピック無し。4月の経済指標が重要。
・クロス円通貨は介入及び、口先介入に注意。


 先週のドル円は膠着。2年前の高値を一瞬超えましたが、迅速な口先介入によってその後の上昇は免れました。口先介入はいつまで効果を発揮するでしょうか。


 先週は主なトピックが殆どありませんが、日本においては3者会合が開かれました。朝の段階では3者会合などしない、と宣言していましたが、夕方にはそれを翻し実施。口先介入と並び、一つの円安歯止め策として用意していたカードだと思われますが、152円を超えかけたことでカードを切るに至ったということでしょう。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 背景として、次回選挙があると考えています。自民党は次回選挙に向け、株価の上昇と、賃金の上昇を経済的なアピールポイントとして、全面に押し出したいのではないかと考えています。しかし、現状ではこの二つの要素は為替影響を色濃く受けています。

 日経平均の急騰については、円安になっていることで海外トレーダーからの注目が集まっていることが大きな要因です。しかし、彼らは日本株を購入する際に円売りにてヘッジをしています。また、新NISAが始まったことで、逆に日本人は円安に対するヘッジとして海外資産(主にアメリカ)を購入する傾向が高まっています。結果、円安を加速させている状況となりますが、仮に円高になっていった際は全く逆の現象が生じます。海外トレーダーが日本株を手放すことで日経平均が大きく下落し続け、連鎖的に日本の新規トレーダーは恐怖売りをするでしょうし、その結果、日経平均は大きく下落します。こういった市場の流れは一度乗じてしまうと止めることは困難です。いつかはこの流れが生じると考えていますが、自民党としてはアピールポイントを失わないようにするため、選挙までは持たせたいところでしょう。また、日銀としても物価上昇の流れを失わないようにするためにも、第一の力(輸入物価上昇による物価上昇圧)をある程度を保ちたいと考えていると思われます。よって、双方の見解として、今は大きく円高方向には動かないで欲しいと、考えていると思われます。

 一方、円安の流れが止まらない場合、物価は上昇し続けます。すき家の並み盛りが4月以降、380円から420円へと値上げすると話題になっていますが、全ての原材料を輸入品に頼っている日本の物価は円安によって上昇し続けます。しかし、物価上昇のペースが緩やかにならない限り、賃上げをしたところで実質賃金はプラスに転じません。結局、可処分所得がマイナスじゃん、と突っ込まれない為にも、少なくとも選挙までの間はこれ以上の円安になって欲しく無いと考えていると思われます。よって、2年間もの間高値として意識され、一つの基準のようになっている1ドル152円のボーダーは死守したいでしょうし、それ故、岸田総理は植田総裁との会合を開き、密に連携を取り合っているのだと思われます。

 その結果、日銀からも「粘り強い緩和」の代わりに「今後利上げをしないわけではない」といった円安への歯止めをかけるかのようなワードが出ており、日銀からも円安に対して牽制をかける動きが出ています。日銀は動かないといった印象が強まっている中、果たしてどの程度効果があるのか分かりませんが、これ以上の円安に対しては嫌気していることは明らかです。よって、152円を超えた場合テクニカル的には買いですが、ファンダメンタルズ的には口先介入等によって不安定な動きになる可能性が高そうです。ただし、現状では円高になる要素もない為、アメリカの利下げが見えてくるまでは150円付近を彷徨い続けるのかなと考えています。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)




 アメリカに関しても、イースター入り前は何もトピック無し。PCEでフレーターも想定通りの結果だった為、長期金利も動かずの展開。利下げ時期6月かつ、年内3回の利下げ予想に変化は生じていない状況です。



   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 地銀リスク問題に関してもそこまで顕在化してきている状況では無いですし、次の雇用統計、CPIの結果発表までは変化が生じない可能性が高そうです。それら経済指標の結果が悪ければ、改めて利下げが意識され、長期金利が下落し、クロス円通貨においても円高への動きが見られるようになる可能性がありそうです。


 ユーロ、イギリスにおいてもイースター前は新たな材料は無し。よって、長期金利も変化無し。こちらも次の重要経済指標を待ちの状況かなと思われます。ユーロ、イギリスにおいても利下げ予想は6月である為、アメリカと同様に次の経済指標は強く意識されるのかなと考えています。



   EU10年債 ※引用:楽天証券






   イギリス10年債 ※引用:楽天証券




 纏めると、政府・日銀はこれ以上の円安は現状、求めていなさそうです。一方、円高にも動いてほしく無いと考えている可能性があります。よって、円安になれば口先介入で牽制を、ある程度円高に動けば数兆円規模の緩和及び、粘り緩和等のワードで円高を牽制する可能性がありそうです。アメリカ、EU諸国、イギリスにおいては特にトピックはありませんでし。CPIをはじめとした、次の経済指標は6月予想の利下げに対し、大きな影響を与えそうです。よって、次の経済指標は特に要注意です。

 以上を考慮すると、現状、日本と海外諸国との金利差は縮まらないとの予想から、大きく円高方向に動く可能性は低そうです。しかし、口先介入等で円安を強く牽制している為、それ以上の円安にはならず152円付近で攻防が繰り広げられています。よって、ここを超えるのか?或いは152円越えを求めているトレーダーが根負けして一旦、円高になるのかに注目です。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルは押し目から上昇の形だが、152円及び、介入の壁がある。
・日足レベルは3波動目なのであれば、まだ上昇の余地あり。
・週足はヘッドアンドショルダーをどちらに抜けるかが重要。
・152円を突破するかどうかが鍵。


 先週のドル円は全く動きなし。口先介入の影響もあり、152円手前で足踏みしています。


 4時間足においては、完全なるレンジ状態。しかし、その形は押し目っぽいです。テクニカルで言えば、ここから3波動目の大きな上昇へと繋がるべき場面です。しかし、財務省による為替介入圧がある為、152円のあたりはかなり強く意識されるかと思われます。そういった歪みがテクニカルに影を落としていますが、基本的にはこの形は上昇の型です。よって、押し目からの上昇を狙うべき場面だと考えています。




 日足レベルでは、3波動目の上昇中といったところ。例の日銀リークにて下落転換しかけましたが、結局、そのリークによって大きな円安へとつながりました。よって、現在は3波動目の途中であり、やはりこちらも上昇波動を狙っていくべき場面だと考えています。ただし、為替介入、口先介入には要注意です。




 週足的レベルでは、いよいよアセンディングトライアングルの上抜けか?といった状況です。ここを上抜けた場合は、テクニカル的には160円を超える上昇になる可能性があります。もちろん、政府が歯止めをかけようとするでしょうが、テクニカル的にはここを超えるかどうかが大きな局面だと考えています。




 テクニカル的に、ドル円はここから大きな上昇へとつながるかどうかの瀬戸際かと思います。ファンダメンタルズ的には円高方向への風が吹き始めていますが、為替は円安トレンドが続いています。テクニカル的には152円を超えてそのまま上昇を続けるかが重要だと思いますので、まずはそこを超えて上昇を続けるかを見極める必要がありそうです。

 それでは今週もがんばりましょう!

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