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こんばんわ!
1/22週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日本は大震災及び、原油価格の下落を受け、早期利上げ実施の可能性が減少。結果、強い円安圧力に。
・日銀政策金利決定会合は植田総裁が物価目標実現の確度についてどのような発言をするかに注目。
・アメリカは早期利下げ確率が減少し、長期金利が大きく上昇。
・ヨーロッパ各国についても早期利下げ論が減退。
・日本と海外諸国との金利差拡大懸念により大きな円安になったが、金利差はこれ以上広がらない(円安トレンドは近いうちに終わる)可能性。


 先週のクロス円も一方的な円安トレンドが継続。ドル円においては1週間で4円ほど上昇しました。この強い円安が生じている要因として、日銀の早期利上げ確率の減少、そして各国の利上げ時期の後ろ倒しの可能性が高まったことが上げられます。


 日本においては先週記載した通り、震災の発生、また原油価格の下落により、早期利上げの確率は低いだろうという見方が強まりました。それ以降、今週の日銀政策金利決定会合に向けて新たなトピックは出てきておりません。

 その日銀の政策金利決定会合ですが、今回も政策変更の可能性は低いでしょう。どちらかと言うと、株高等もあって円安を歓迎する雰囲気もあります。また、日銀は賃上げが重要と半年間言い続けてきたので、春闘の結果が出る前に政策を変更する可能性は低いでしょうし、解除するにあたって確固たる理由を作ることもできません。ただ、重要なのは今後、マイナス金利を解除する可能性と、時期だと考えます。

 これまで何度か触れてきた通り、日銀がマイナス金利を解除する為の主条件は2025年度の物価見通しが2%を超えることだと考えています。現在は春闘の結果が低く見積もられている可能性が高く、日銀想定の2025年度の物価見通しは2%を切っている状況です。しかし、仮に春闘の結果が上振れた場合は見通しが上振れる可能性があります。その可能性を、植田総裁は「物価目標実現の確度」と表しています。よって、今回は政策変更無しだったとしても、会見事にマイナス金利を解除する可能性、時期を占う上で重要となる「物価目標実現の確度」について前向きな言及があった場合、円が買われる展開も考えられます。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 一方これまで通り、確度は高まりつつある、程度の発言で終わった際は円安の流れは変わらないと考えます。ただ、現段階でマイナス金利解除の可能性自体を否定する発言、材料は出てこないでしょうし、どちらかと言うと解除の時期が後ろ倒しになるという見方になるでしょう。解除が後ろ倒しになる可能性については、個人的には1月からの2週間で既に織り込んでいると考えます。よって、円安の流れは変わらなかったとしても、これまで何度も見られた会見後の一方的かつ、強力な円安トレンドには繋がりづらいのかなと考えています。


 アメリカについては長期金利が大きく上昇。一時的に4.2%を超えるレベルにまで上昇しています。明らかに早期利下げを織り込み過ぎていた為、戻している状況だと思われます。先週目立った材料としてはニューヨーク連銀製造業景気指数と、小売売上高です。



 ニューヨーク連銀製造業景気指数については大幅なマイナス。アメリカの経済は相当悲観的な見方をされているのだなという結果でした。それに対し、小売売上高は真逆の結果。12月時点のクレジットカードの未払い残高が過去最高との報道がありあしたが、12月の企業売上は増加しているようです。アメリカの国民性なのだと思われますが、金があればあるだけ使うのでしょう。12月はクリスマスという要素があったのも大きいと思われますが、想定に反して増加したことで、3月の利下げ確率は減少したという見方が強まっています。結果、アメリカ長期金利は大きく上昇。ドルは買われ、円が売られました。

   ※引用:nikkei225jp.com



   ※引用:ロイター(画像クリックで記事にアクセス)



 ただ、その他1月発表の経済指標の傾向として、徐々にインフレは鈍化してきていることが見て取れますし(雇用統計以外)、小売売上高の上振れもクリスマス要素が大きかったと思います。よって、感覚的にはこの先の経済指標では下落傾向がより顕著になっていき、長期金利についても再びピークを迎えるのではないかと考えています。

 しかし、今後の経済指標が上振れたり、来週のFOMCにてパウエル議長が改めて利下げ時期について言及した場合、大きな変化が生じます。また、最近の経済指標の結果は特に読めませんし、それを受けた市場の反応も読めません。よって、ここは下手な予想はせず、市場と一緒に一喜一憂しておいた方が良いのかなと考えています。

 また、来週にはFOMCが開催されます。ここで利下げをする可能性は限りなく低いと思われますが、その後のパウエル議長の発言に注目した方が良いでしょう。前回は利下げの検討について発言したことで、大きな波乱が生まれました。なぜ市場を混乱させる発言したのか、真偽は分かりかねますが、パウエル議長の発言はそれだけ大きな影響を持っています。今回は利下げ時期の検討程度では動かないと思いますので、具体的に早期利下げの有無、時期、について発言があるかに注目です。


 EUについては、ラガルド総裁が夏あたりでの利下げの可能性が高いとの発言をしました。総裁自らが具体的な利下げ時期について言及したのは初めてではないかと思います。しかし、長期金利は上昇。恐らく、これまでは3月あたりでの早期利下げを織り込み過ぎていた為、後ろ倒しになる可能性が高まり、それを織り込んでいるのだと考えます。

   ※引用:楽天証券




 イギリスについては、CPIが想定を上振れたことで金利が大きく上昇。利下げ時期が後ろ倒しになるとの見方が強まったのだと考えられます。ただ、その後の小売売上高は非常に悪い結果でした。結果、多少金利は下落しています。




 以上の海外動向を考慮した結果、日本と主要国との金利差が広がる、また縮まるのはまだ先の話であるという見方が強まりました。よって、凄まじい勢いで円が売られているという状況です。ただ、夏頃には主要国は利下げする可能性が高い為、金利差が縮まる時期が後ろ倒しになっただけです。スワップ狙いのキャリートレード勢もどこかで撤退するでしょうし、その時期を見定めていることと思います。きっかけ一つで風向きが大きく変わる可能性がある為、今後も一方的な円安が続くとは考えず、転換の時期を見定めていく必要がありそうです。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルは一旦、上昇波動が終了の可能性もある。
・日足レベルではヘッドアンドショルダーのネックラインで落ちるかに注目。
・週足レベルでは長期トレンドの転換の瀬戸際だが、上抜けた場合は上昇トレンド続行。
・週足レベルで転換するかが今後の為替動向を大きく左右する可能性がある。


 先週のドル円は大きく上昇。日足レベルの下落トレンドが継続し3波動目の下落が生じるのか、或いは下落トレンドシナリオが否定されるのか、瀬戸際の状況です。


 4時間足レベルでは、上昇トレンドが継続。ファンダメンタルズの力も借りて一方的な上昇が見られました。これを3波動目と呼ぶべきか、5波動目と呼ぶべきかは分かりませんが、一旦、伸び切ったのかなと感じます。よって、ここからは調整が入る可能性がありそうです。しかし、昨年の夏頃見られたようなテクニカルの法則無視の一方的な円安トレンドが生じた場合は、そういったものを度外視して上昇が続く可能性があります。しかし、通常は調整を経なければ上がれない為、週明けは押すのかどうかを見定めた方が良さそうです。




 日足レベルでは、下落トレンドが継続し3波動目が生じるのかどうか怪しい状況です。日足のSMA100は簡単に突破されていますし、そのシナリオはほぼ打ち破られたと考えています。ただ、最後の砦としてヘッドアンドショルダーの肩のネックラインが機能しているように見える為、ここで落ちるのか、或いは打ち破っていくのか注目かなと考えています。そのまま上昇を続けた場合は更なる上昇が見られそうですし、逆にここで跳ね返されて4時間足レベルで下落転換した場合は、日足レベルの下落トレンド継続なのかなと考えています。




 週足レベルではトレンドラインで跳ね返して以降、上昇が続いています。短期足ではよく見られる上昇の形に近づいてきました。このまま151円あたりまで行くようであれば、アセンディングトライアングルの形である為、上辺のラインを突破次第、更なる上昇を見せる可能性があります。しかし、逆にトレンドラインを割った場合は、数十円レベルの大きな下落が見られる可能性があります。その為、ここを上に抜けるのか、或いは下に抜けるのかは長期的な流れを決める重要な局面なのかなと考えています。




 テクニカル的には、下落する方がオッズとして高かったと思いますが、結果的には上昇継続。キャリートレードが再開されたであろうことも要因としてあるかと思われますが、想像以上に一方的な上昇が続いたことで、長期的な下落トレンド入りシナリオが崩れかけています。ただ、勝敗はまだ決したわけではないですし、予想を当てる必要もない為、どちらに転ぶのかを見ていきたいと思います。短期的な観点で言うと、今週は日銀政策金利決定会合もある為、その後に生じる流れに着いて行くのが良いかもしれません。

 それでは今週もがんばりましょう!

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