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こんばんわ!
1/8週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日本は大地震を受けてマイナス金利解除の期待感が下がり、円安に。
・アメリカは昨年末の反動で長期金利が大きく上昇。
・雇用統計は非常に強かったが、ISM非製造業の結果は真逆だった為、インフレ再燃とまでは言えず。
・ユーロ圏のインフレ率は強くも弱くもなかった為、利下げ時期については他の指標結果と併せて見る必要がある。


 先週のドル円は年明けこそ下落しましたが、その後は一方的な上昇。3日間で6円近くも上昇している状況です。さすがにこのハイペースな上昇が続くとは思えませんが、ここまで過度な為替変動は経済的にも悪影響を与える可能性がありそうです。


 日本においては年末、年始が休みだった為、先週は実働2日。政策関連における新たなトピックはありません。しかし、年始早々、大地震が発生しました。今回の地震が為替に影響を与えている可能性があります。

 今回の大地震では多くの建物が倒壊し、大きな被害を受けています。勿論、海外にも被害状況は報道されており、日本が大きな被害を受けているといった印象を持たれているかと思われます。

 こういった大きな被害の発生後は、復興に向けて人、金、物が動きます。中でも金は重要です。多くの金が必要となる為、金の流通量を一時的に増やさなければならないでしょう。よって、金の流通量を増やす為に金融緩和が必要となる可能性もありますし、この状況で引き締めをするという選択は取り辛いのではないかと思われます。年始早々、そういった報道がBloomber等で出てきており、日本だけでなく海外にも伝わっています。結果、日銀のマイナス金利解除への期待感が薄れ、再び円が売られているという状況です。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 これまでは有事の円買いと言われていた通り、こういった有事発生時には、初動は円安でもその後は円高方向に動くことが多かったです。主な要因は、復興に向けて日本企業が活性化する為、日本企業の海外資産が国内に戻ってくるといった見方や、それ自体を投資チャンスと見て円買いをする海外企業・投資家が多かったことだと思われます。しかし、今回は一方的な円安です。この後記述するアメリカ由来の要因もありますが、やはりマイナス金利解除が遠のいたことによる、各国との金利差拡大が大きな要因だと思われます。

 その一方的な円売りによって、マイナス金利解除が遠のいた可能性の相場への織り込みが完了したかは分かりません。しかし、テクニカル的観点で見れば明らかに円安方向に動き過ぎです。また、2週間後には金融政策決定会合が控えている為、そこに向けてこれから警戒感が高まると思われます。そう考えると、今週は先週ほどの一方的な円安トレンドにはならない可能性が高いのではないかと考えます。

 勿論、海外要因も絡んできますし、何より円安の主要因(マイナス金利を解除しない可能性)が消えたわけではありません。その為、短期的には円安圧力が弱まるとしても、日銀のスタンスが変わらない場合は長期的な円安トレンドは継続する可能性が高いと思われます。


 アメリカにおいては先週、12月FOMCの議事要旨の公開、ISM製造業・非製造業景況指数、そして雇用統計がありました。



 先週記載した通り、市場は早期利下げ論を織り込み過ぎており、アメリカ長期金利も下げ過ぎている状況でした。結果、週明け早々に長期金利は大きく上昇。気がつけば4%台まで戻ってきていました。

 FOMC議事要旨では、インフレ鈍化傾向が見られる為、2024年度中に利下げを始める可能性が高い旨が記載されていました。一方、インフレの持続的な低下が見られるまでは暫く金利を据え置くことが適切、とも記載されていました。これを受けて初動は金利低下。しかし、その後すぐに上昇し行って来いという展開でした。当たり障りの無い文面だった為、大きなインパクトは無かったようです。

   ※引用:ロイター通信(画像クリックで記事にアクセス)



 一方、ISM製造業景況指数、そして雇用統計の結果は想定を大きく上振れました。これは自動車業界のストライキ終結による活性化の影響を受けているのではないかと思われます(特にISM製造業)。1月時点でここまで強い雇用統計を見せられると、とても3月のFOMCで利下げができる状況と言えません。よって、早期利下げ論は否定され、アメリカ長期金利は急騰しました。その結果、ドルが買われました。

 しかし、ISM非製造業は想定を下振れました。約3年ぶりに大きな活動縮小を示しており、経済の減速感を感じさせます。この結果は雇用統計の結果と対立している部分もありました。結果、雇用統計で急騰していた金利は急落。その後は雇用統計発表前水準まで戻していますが、より一層、利下げ時期を予測し辛い状況にしています。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 今週木曜日にはCPIの発表があります。CPIが雇用統計と同様に上振れた場合、長期金利は再び大きく上昇し、ドル高トレンドが継続する可能性が高いです。しかし、雇用統計は下方修正されることも多く、CPIの結果とリンクしない可能性もあります。仮に結果が想定を下回った場合は、再び早期利下げ論が持ち上がり、長期金利の低下が見られる可能性が高いです。ただし、指標に関しては予測できるものではないので、発表を待つしかなさそうです。


 ユーロ圏、イギリスについては大きな変化は無し。先週金曜日に消費者物価指数の発表がありましたが、為替への影響はほぼほぼ無し。雇用統計前ということもあってか、為替において大きな動きは見られませんでした。



 HICP自体は先月比で上振れているものの、コア指数は前月、想定を共に下振れ。HICPの上振れ要因は補助金の打ち切りと言われています。一方、食料・エネルギーを除いたコア指数が低下していることから、個人的には長期的に見ればインフレ鈍化に繋がる結果なのかなと感じています。しかし、これだけでインフレの程度を判断できるような結果では無かった為、今後発表される指標と併せて見る必要がありそうです。


 先週は、日本の大地震発生によるマイナス金利の早期解除論の否定、そしてアメリカの早期利下げ論の否定による金利上昇によって、金利差拡大が懸念され一方的な円安トレンドとなっていました。しかし、一方的に動き過ぎた点、そして円安材料が出尽くした感がある点を考慮すると、今週については先週ほどの円安トレンドにはならないのではないかと感じています。しかし、年末のような円高トレンドになるような材料も無い為、下げ幅も限定的。よって、一旦、落ち着きを見せるかもしれません。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルは上昇トレンドへ転換、まだ上昇の余地あり。
・日足レベルでは1波動目が終了し、2波動目が開始。
・週足レベルでは長期トレンドの転換の瀬戸際だが、上抜けた場合はシナリオ変更。
・週足レベルで転換するかが今後の為替動向を大きく左右する可能性がある。


 先週のドル円は、4時間足レベルのエンディングダイアナゴルをブレイクし上昇。日足レベルでも2波動目が開始している状況です。


 4時間足レベルでは、上記に記載した通り、エンディングダイアナゴルをブレイクしたことで大きな上昇へと繋がっています。雇用統計後の大きな上髭を見る限り、1波動目が完了したように見えます。MAの形を見る限り、典型的な上昇トレンドの型をしており、2波動目の下落を経た後、3波動目の上昇が見られる可能性がありそうです。


 日足レベルでは、2波動目が開始。MAの形を見る限りでは、今後は戻り高値になって下落をしていきそうです。その為、このあたりで下落の型を形成した場合はショートチャンスかなと考えています。しかし、戻りの速度が尋常では無いスピードですし、時間、戻りの距離的にまだ不十分です。よって、もう少し戻る(上昇)可能性があります。ただ、ファンダメンタルズが優先され、もし147円あたりを大きく超えていくことがあれば、シナリオを変更する必要がありそうです。


 週足的レベルでは久しぶりの陽線。ここ数年で最も大きな陽線となっています。トレンド転換に向け、トレンドラインに達したところからの反発ですが、ここで転換するのか、或いはそのままアセンディング気味になるのか、によって今後数年の展開が大きく変わってきそうです。そのまま下落転換する場合は130円を割るレベルまで下落する可能性がありますが、アセンディングを形成した後、152円を超えていく場合は更なる上昇が見られそうです。その場合、現在の円安状態が円の基準となる可能性がありそうです。よって、ここからの攻防には注目です。


 テクニカル的には、日足を見る限りでは戻り高値からの下落となる可能性が高そうです。しかし、4時間足レベルではまだ1波動目が終わったばかりの為、もう少し時間を要しそうです。ただし、147円あたりの抵抗を超えていく場合はシナリオ変更となりそうです。また、週足レベルでは今後の長期的なトレンドを占う重要な局面となっています。

 それでは今週もがんばりましょう!

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