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こんばんわ!
12/25週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日銀はマイナス金利解除せず。
・マイナス金利解除は当面先になる可能性が高いが、早期解除論も根強い。
・海外についてはインフレ鈍化傾向が続いており、来年は利下げムードが高まりそう。
・それらを加味すると、来年は円高方向に動く可能性が高い。


 先週のドル円は日銀政策金利決定会合後に大きく上昇。2.5円ほどの上昇を見せましたが、結果的には上昇前の地点に行って来いしている状況です。


 日本については、年内最後の政策金利発表がありました。植田総裁のチャレンジ発言により、マイナス金利解除が警戒されていましたが、結果的にはこれまで通り。今回の会合でのマイナス金利の解除は無く、来月あたりの早期解除の可能性についても否定しました。そして、注目を浴びたチャレンジ発言についてはただの所信表明であるとのことでした。

   ※引用:Bloomberg(画像クリックで記事にアクセス)



 今回、或いは次回会合にてマイナス金利解除の可能性が高いという見方が強まっていた為、発表後には為替は大きく円安に。従来の説明通り、第一の力(海外インフレ及び、円安によるコストプッシュ型のインフレ)を強めることで、第二の力(賃上げによるインフレ)を強めると説明。現段階で第一の力が弱まってしまうと、第二の力も弱まり、賃上げがされなくなるとの説明でした。第一の力を弱めない為にはある程度の円安は必須です。更に、第二の力を見極める為には、少なくとも来年6月頃、中小企業を併せた賃上げデータを揃える必要があります。これだけ聞くと、日銀は円安を歓迎しており、利上げもまだ先の話であると考えられます。

 しかし、今回の発表については、世間ではさまざまな憶測が飛び交っています。中には、実は日銀は今回の会合、又は次回の会合にてマイナス金利を解除しようとしていたのではないか?という説があります。個人的には可能性としてあり得たのではないかと考えています。

 理由は二つ。一つ目は、植田総裁が勘違いされるような発言を意味もなくするのだろうか?という理由です。所信を問われたので回答したとのことですが、発表時のインパクトを和らげる為、相場に織り込ませることを目的として発言していた可能性もあります。それに、9月に同様の事案があった為、勘違いされることはわかっていたはずです。植田総裁は元来、鷹派寄りの人間です。いつか、どこかで必ず出口戦略を実行する必要がありますし、海外が利下げを始める前に、そして過度な円安が進行している状況時に、マイナス金利を解除しておきたかった可能性があります。

 しかし、アメリカのパウエル議長が利下げを検討している、と予想外に発言したことで大きく円高方向に動きました。それに加えてマイナス金利を解除した場合、更なる円高が想定されます。昨年は同様の状況時に127円まで円高方向に進みました。突如そのような円高状態になれば、第一の力を弱め過ぎてしまい、賃上げげムードが萎んでしまいます。それを恐れてマイナス金利を解除しなかった可能性があります。

 二つ目の理由は、経済財政担当相が発表の場に出席することになっていた、という理由です。通常、出席しない内閣の人間の出席は波紋を呼びました。出席理由として、今回の発表でマイナス金利を解除する為、何かしらの発言をするから出席しているのだという説。そして、政府としては今マイナス金利を解除されると、インフレが弱まり、賃上げムードが下がって困る(自民党が選挙で勝てなくなる可能性がある)為、植田総裁を監視する為に来ている説等がありました。

 そういった様々な憶測があった為、今回の会合前はマイナス金利解除の可能性が大きく取り立たされ、警戒をされていたのだと思われます。しかし、事実としては今回のマイナス金利解除は無し、そして来年早々の解除の可能性についてもやんわり否定されています。今進めている日銀レビューを理由に、今後賃上げ動向を待たずしてマイナス金利を解除する可能性があるのではないか、という説も持ち上がっていますが、やはり憶測の域を出ないでしょう。レビューについては来年の賃上げが中途半端だった場合、マイナス金利の解除理由の一つとして使用する可能性がある程度だと思われます。

 よって植田総裁のプランとしては、完全なるデフレ脱却を理由としてマイナス金利解除とする為に、2025年以降のインフレ率が2%を超えるというデータを示したいのだと考えます。するとやはり、賃上げデータを待つ必要がある為、マイナス金利の解除は来年6月以降という従来説通りに推移するのではないかと考えています。


 アメリカを含め、海外についてはクリスマス前ということもあり、大きな動きは無し。特に注目されていた経済指標もありませんでした。

 唯一の動きとして、アメリカではGDPが下方修正され、市場想定を下回るPCE デフレーターの結果が発表されました。FOMCにてパウエルが利下げ発言に及んだのは意外でしたが、それを裏付けるような経済指標の悪化データが出始めています。来年に3回の利下げがあるとされていますが、従来説より早期に利下げが始まれば、想定よりも一層の利下げが進む可能性があります。そういった説が持ち上がれば、更なる円高圧力へと繋がっていく可能性が高いです。



 日銀はマイナス金利解除見送りということで従来説の通りでしたが、様々な憶測が飛び交っています。会見をそのまま間に受けると、マイナス金利解除は当面先の可能性が高いです。しかし、発表後の円安は1日で終了し、週末までに行って来いしたあたり、やはりマイナス金利解除への警戒感が感じられます。

 一方、海外は利下げムードが強まりつつある状況です。インフレ再燃が怖い為、利下げについてなかなか踏み込んだ発言をしないと思いますが、経済指標は嘘をつきません。インフレ鈍化のデータが増えてくれば、自然と利下げ理論が強まると思われます。

 よって、来年度は徐々に円高要素が増え、円高圧力も増していく可能性が高いです。しかし、経済指標によって一気一憂したり、日銀の動き等で突如流れが変わる可能性がある為、その点は要注意です。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルは下落トレンドが続いているが、継続、上昇転換どちらもあり得る展開に。
・日足レベルでも1波動目の下落が継続するか、2波動目の上昇が来るか分からない展開。
・週足レベルでも下落傾向が続いているが、トレンド転換はまだ先の話。
・今週は月曜日〜火曜日は海外が休みの為、トレードを控えた方が良いかもしれない。

 先週のドル円は、FOMC後の大きな下落を日銀政策金利決定会合で全戻ししました。テクニカルなど関係ないような展開に見えますが、長時間足で見るとテクニカルの範疇と言えます。


 4時間足レベルでは、SMA100から大きく乖離していましたが、週明けにはあっという間に収斂。いささか早過ぎる展開でしたが、その後は順調に下落。戻り高値からの下落を見せています。高値をつけた144.9円はちょうどトレンドライン上ですし、一見ファンダメンタルズに翻弄されているような印象を受けますが、テクニカル通りに動いています。落ち切らずに142円あたりでもたついているように見えますが、これはクリスマス連休前にショートを持ち越したくない人が利確したことが影響していそうです。よって、状況が変わらなければ海外が連休から明ける水曜日、もしくは年明け早々には安値140.9円を割るような下落へと繋がる可能性が高そうです。一方、現在の下落トレンドは1ヶ月程度継続している為、年明け早々に流れが変わって転換する可能性もあります。ここ1ヶ月間、何度も抵抗として働いているトレンドラインをブレイクされた場合は大きく上昇する可能性がある為、要注意かなと思います。


 日足レベルでは、SMA100の形は典型的な下落のそれなので、基本的には戻り売りが基調になると思われます。しかし、下落が続いていることでSMA100との乖離が大きくなり始めています。先週も上昇はしましたが、戻り高値と呼ぶには戻りが浅いですし、落ちてくるのも早いです。よって、引き続き下落が進むシナリオと、次の下落波動が始まるまでの調整(ある程度の上昇)が生じる二つのシナリオを頭に入れておいた方が良さげです。戻り高値を経た後の、日足3波動目は大きくなる可能性が高い為、そこは狙いにいきたいところです。


 週足的には久しぶりに陽線。と言っても大きな上髭をつけている為、反発感は見られません。約1年ぶりにSMA100に接近しており、いよいよ長期的に下落トレンド入りが近づいてきています。仮にここで落ちなければ再び円安トレンドが再開することになると思われますが、ファンダメンタルズ要素を考慮すると、2021年の春先から始まった上昇トレンドがとうとう終わりを迎える可能性があります。しかし、現段階ではまだどちらとも言えない状況ですし、転換のせめぎ合いまで至っていない為、そこの見極めはまだ先の話になりそうです。


 テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも下落する可能性が高まっていますが、4時間足レベルでは上昇トレンドへと転換する可能性もあります。最終的には下落の流れに押されて再度下落トレンドに変わると思われますが、もう下落しかしないだろうという思い込みはせず、どちらにも動いても対応できるようにした方が良さそうです。また、今週月曜日は海外勢がクリスマス休暇となります。火曜日についてもヨーロッパ圏を中心に休みとなる為、ボラティリティが落ちるかもしれません。その為、その2日はトレードもお休みした方が良いかもしれません。

 それでは今週もがんばりましょう!

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