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こんばんわ!
12/4週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・日銀は変化無し。
・アメリカはインフレ鈍化傾向が見られており、長期金利も下落。
・EU圏も同様にインフレ鈍化傾向が見られる。
・よって、クロス円通貨は円高傾向が続く可能性が高い。


 先週のドル円は下落継続。久しぶりに下落トレンドが2週連続で継続している状況です。途中、月末要素で大きく上昇する場面もありましたが、最終的に下落するあたり、下落トレンドの強さを感じます。


 日本については、先週も新たなトピックは無し。強いて言うなら、日銀は一貫して同様の発言をしているということろでしょうか。その内容は、「現状はコストプッシュ型インフレであり、賃金と物価の好循環はまだ確認できていない。よって、利上げできる状況ではない。」です。

   ※引用:ロイター(画像クリックで記事にアクセス)



 どちらにせよ来年の賃上げ動向が確認できるまでは利上げの議論は出来ないと思いますが、マイナス金利を解除しないといった内容の発言は繰り返ししています。聞かれたから答えているのだとは思いますが、ここ最近は特に何度も発言しているように感じます。

 ここの所は円高に大きく動いています。日本はここ数十年間デフレ状態でしたが、過度な円安と海外のインフレによって、デフレを脱却しつつあります。その流れを止めないためにも、コストプッシュ型であったとしても物価上昇が生じやすい円安が継続して欲しい、と日銀は考えているのではないかと思います。もちろん、具体的な政策によって誘導するようなことはしないと思いますが、円高方向には動き過ぎないで欲しい、というのが日銀の思いなのではないかと考えています。そういった思惑からの繰り返しの発言なのかは分かりませんが、少なくとも積極的に円高を支援するようなことは無いと思われます。


 アメリカについては、着実にインフレが抑えられている様子が見て取れます。先週発表の10月個人消費支出は前月比で下回り、11月ISM製造業景況指数については市場想定を下回りました。特に製造業景況指数については、自動車業界のストライキが収束したことで、今月は上昇すると予想されていました。


 それらの経済指標結果を受け、アメリカの長期金利の下落傾向は継続。先週末には4.2%にまで下落しました。これは9月時点の水準です。ドル円基準で見た際、9月の為替はだいたい145~148円でしたので、その時の為替と今の為替はほぼほぼ一致しています。長期的に見た際、金利差と為替動向は相関性があるというのはこれまでのデータが実証していますが、短期目線で見てもドル円はアメリカの長期金利動向に大きく左右されていることがわかります。よって、今後もアメリカ長期金利が下落するのであれば、ドル円の下落傾向は続くと思われます。

   アメリカ10年債 長期金利 ※引用:楽天証券



 そのアメリカの今後の動向ですが、先週末にパウエル議長が発言をしました。内容としては、ほぼこれまでの繰り返しとなりましたが、その発言を受けてアメリカ長期金利は下落。着実にインフレが収束しているという市場の感触が、パウエル議長の発言内容と一致していたことが大きいと思います。次週はインフレ動向を確認する上で重要となる雇用統計があります。もし、雇用統計も同様にインフレ鈍化傾向を示すようであれば、更なる長期金利の下落が見られるのではないかと考えられます。


   EU圏についても軒並み経済指標が前月比で下回ってきている状況であり、インフレの鈍化傾向が強まっています。特にHICP(消費者物価指数)に関しては想定を大きく下回る結果となっており、一気に景気後退の色が強まっています。この状況でインフレ再燃というのは少し考え辛い状況です。よって、ECBが利下げを実施するのも時間の問題なのではないか?と考えられます。


 日銀は相変わらずの不動ではありますが、これらの海外動向を考えると、日本と海外との金利差は今後は縮まっていくと考えられます。結果として、クロス円通貨の円高傾向は続く可能性が高いのでは無いか、と考えられます。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足レベルではトレンド継続。
・日足レベルでは押しになるか、或いは転換するかのポイント。
・週足レベルでは下落継続の場合は上昇トレンド終了の可能性。
・円高方向に動く可能性が高くなっているが、バイアスはかけない方が良い。


 先週もドル円は週明けから下落。4時間足レベルで戻り高値を作って大きく下落しました。気が付けば日足のMA100に接近。ここで転換すれば大きな下落もあり得ます。

 4時間足レベルでは、週明けから大きく下落。先週の想定通り150円付近が壁となり下落しました。先週末には材料絡みで大きく下落し、トレンド継続。久しぶりに本格的な下落トレンドが続いています。しかし、再びMAから離れて行ってしまいましたので、一度体制を整える(上昇)可能性もあります。ここから更なる下落へと繋がるかどうかについては、日足トレンドにおいて転換するか?が重要と思います。


 その日足レベルでは今まさに転換するかどうかの瀬戸際。ちょうどトレンドラインのあたりで止まっており、MA100についても転換間近です。もし、ここで上昇していった場合は押し目となりますが、ファンダメンタルズを考慮すると、下落していく可能性が高いのではないかと考えられます(もちろん、100%下落とは限らない)。仮にここを割って下落した場合は相当大きな下落トレンドへと繋がる可能性があります。


 週足的にも昨年の大きな下落以降、初めて陰線が3つ続きました。このまま下落した場合は、チャネルラインに届いたとみなされ、上昇波動は終了する可能性が高いです。その場合は、大きな下落へと繋がる可能性があります。どこまで下落するのかは分かりませんし、勿論、押し目となって上昇するのか?或いは週足レベルでも転換して下落し続けるのか?は分かりません。可能性としての議論であれば、チャネルラインの下辺である130円付近までは下落する可能性がありますし、そこを割った場合は更に下落し100〜110円レベルも考えられます。しかし、それらは考えられるシナリオの一つですので、長期的シナリオは無視し、まずは短期的に更なる下落があるのかを見た方が良さそうです。


 先週から引き続き、テクニカル的に日足レベルで下落転換する兆候が現れていますし、ファンダメンタルズを考慮しても下落する可能性が高いです。しかし、下落バイアスはかけず、もし上昇した場合にも備えてトレードする必要があると思います。

 それでは今週もがんばりましょう!

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