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こんばんわ!
11/13週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・パウエル発言により、アメリカ長期金利は上昇
・日銀はYCCを当面解除しない意向を改めて強調
・各国の中央銀行は金利の現状維持を求めている
・日本との金利差は改善されない為、円安圧力は継続


 先週は一方的な上昇トレンド。気が付けば先々週の高値:151.7円に接近している状況です。円は全面安状態が続いており、止まる気配を見せていません。


 アメリカについては、先週は目立った経済指標は無し。雇用統計の結果が悪化した事を受け、長期金利の低下が目立ちました。従って、ドルは売られる傾向になるのかと思いましたが、結果は逆。どちらかと言うと、ドルは週明けから買われる展開となっていました。

   ※引用:OANDA証券



 更に講演会にて、パウエルは適切なら引締を躊躇わないと発言。これは長期金利が下落している状況を考慮し、高止まりさせておく意図があったのかと思います。結果、一時は4.5%にまで低下していた長期金利が気が付けば4.6%にまで上昇。結果、ドル買い傾向はより強くなりました。

   ※引用:楽天証券



 パウエルとしてはインフレ退治を失敗する訳にはいかない立場ですので、長期金利が意図せず上昇することは許しても、意図せず下落することは許さないと思います。よって、経済指標にて明確な経済の減速感が見てとれるようになるまでは、なるべく現状の金利を保とうとする為、このような発言は何度かあるかもしれません。(その度に債券市場が動き、金利が動く)

 今週はインフレ状況を推し図る上で最も重要であるCPI発表があります。コア指数は先月の数字から変化無しと予想されていますが、生鮮食品を除いた指数は下落することが想定されています。仮に下回れば明確にインフレ鈍化が見て取れる為、当然、長期金利は下落すると思います。しかし、もし逆の結果だった場合は更なる金利上昇が予想されます。こればかりは想定できませんでし、発表を待つしかありません。


 日本については、月曜日から「粘り強く緩和」という発言が、植田総裁の口から何度も出ました。これは、YCCを解除する状況には無い、ということを改めて強調しているのだと思われます。一時、1%に迫る長期金利の上昇が見られていた為、YCCを解除しない事を改めて強調する事で長期金利の上昇意欲を削ぐ意図があったのかと思われます。

   ※引用:楽天証券



 一方、賃金と物価の好循環が少し起きているが、まだ弱い、といった発言もありました。これは先週触れたように、2024年度の賃上げ後、2025年のインフレ見通しが2.0%を超えるか否か?が重要である、といった趣旨があると思います。衆院財務金融委員会での発言でしたので、賃上げに向けて政府も協力の必要があるといった圧をかける、という意図があったのかも分かりません。

 その日銀の2025年の物価見通しは理想とする2.0%を下回っている、すなわち、賃上げが不十分な結果に終わると見ています。先週発表の実質賃金は2.4%のマイナス、家計消費は2.8%の減少です。実質賃金については今年の1月に底を打っているものの、18ヶ月連続マイナス、家計消費は7ヶ月連続マイナスです。この結果は、物価高に今年度の賃上げは尚負けており、消費が落ち込んでいる事を意味します。よって、来年の春闘は今年度以上の賃上げが実施されなければ、日銀としてはYCCを解除出来ないと思われます。(個人的には、海外事業を持たない多くの企業にとって、円安による材料費高騰を上回る賃上げは厳しいと思うが。。。)


 それに対して、ユーロやアメリカの中央銀行は長期金利の高止まりを肯定する発言を繰り返していますので、円安圧力は変化せず。特に対ドルで見た際は、ドルが買われる傾向が強まっていることもあり、ドル円は1週間で2円も上昇したという状況だと思われます。新たな経済指標等でこの傾向が変わらない限り、円安圧力は続くと思われます。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足は上昇トレンド回帰し、まだ上昇の余地あり。
・日足は上昇トレンド継続で、まだ上昇の余地あり。
・週足もまだ上昇継続。
・しかし、介入に要注意。

 先週のドル円は、週前半に下落転換の可能性がありました。典型的な下落トレンド入り前の形をしていましたが、この展開で悉く上昇しているのがドル円。今回も例に漏れず上昇でした。

 4時間足としては、MA100を確定的に割り、下落転換の可能性が強まっていましたが、あっという間に上昇回帰。週半ばには雇用統計での下げを行って来いしました。二度あることは三度あると言いますが、もう四度も五度もこの展開を見ています。この展開であれば、基本的にはチャネルの上辺目指して上昇を続けると思われます。その際、上昇を阻む要素は介入。テクニカル通りであれば152円は超えますが、前回高値:151.7円を超えたあたりからは介入圧が高まり、上昇が鈍くなっていく展開が想定されます。(かと言って、下落しないのだが)


 日足的には、一方的な上昇が継続。押す展開を予想していましたが、結局、大した押しも見られないまま上昇を続けています。テクニカルで言えば、あと2円ほどは上昇の余地があると思います。ただ、繰り返しになりますが、上昇すればする程介入への恐怖感が増す為、上昇が鈍くなります。果たしてチャネル上限まで辿り着けるのか分かりませんが、テクニカル的にはこちらも上昇トレンド継続かと思います。


 週足的には、再び大きな陽線。3ヶ月間、まともな陰線は一個もありません。個人的には警戒していたラインに達し、動きが鈍くなり始めているのかなという状況です。テクニカル的には、横槍(介入)が入らない限り、このまま更に上昇を続けると思われます。チャネルの上限に達した後は、一度下落する可能性が高そうですが、ファンダメンタルズ要素に変化が無ければ、その後は押し目を形成して上昇しそうな気がします。


 先週は下落転換の可能性が高まりましたが、結果、上昇。どこまで行くのか分かりませんが、介入に気をつけつつ、順張りが良いかなと思います。

 それでは今週もがんばりましょう!

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