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こんばんわ!
11/6週の展望です。

◾️ファンダメンタルズ観点の展望
・アメリカは今後、政策金利を上げない可能性が高まった。
・日銀は当面、YCCを解除しない。
・両国の金利差は縮まる傾向が高い為、円高圧力がかかる可能性がある。
・しかし、両国の金利差は依然として大きい為、勢いは大きくなさそう。


 先週は行って来いの展開。それも珍しいことに下落方向への行って来いでした。政策金利発表、FOMC、雇用統計といった重要材料が目白押しだったこともあり、材料発表後にその結果に合わせて動きが出るという展開。少しギャンブル性が高く、エントリーし辛い展開だったと思います。


 アメリカについては、今後の利上げの可能性が低くなりました。というのも、ISM製造業・非製造業、雇用統計の結果が想定より低く出ていた為です。これまでは想定超えが続いており、その度に長期金利は上昇していました。しかし、今回は数値が明確に下落していることが見て取れる結果となっており、FOMCでの利上げ見送りの正当化及び、今後の利上げの必要性を否定するものとなっていました。


 FOMCについては想定通りの利上げ見送り。ポイントとなるのはあと一回の利上げが行われるのか、否か、でしたが、パウエルはどちらかと言うと利上げサイクルの終了を示唆するような発言。この鳩派発言によって、今後の利上げ確率は下がり、そして利下げ時期も従来の来年の7月から6月へと前倒しとなりました。

 結果、長期金利は4.5%程度にまで下落。依然として高い水準ではありますが、これ以上の利上げが無いとの認識が広がっていけば、後は利下げ時期を当てるゲームで盛り上がると思います。そうなると、債券市場も織り込み始め、金利は下落していくと思います。

   ※引用:楽天証券



 一点気になるのが自動車会社の賃上げ。25%も上げるとの話ですが、自動車は裾野が広く従業員も多い業界です。その自動車業界で大きな賃上げがされたとすると、当然、平均時給にも影響が生じると思います。ISM製造業景教指数が低く出たのも今回のストが原因と言われていますし、今後ある程度のインパクトが想定されます。もしかすると、雇用統計の結果に反映される際にまた利上げ復活論が生じ、荒れる可能性がありそうなので要注意かなと思います。


 日銀に関しては従来の想定通り、YCC継続。変化点は1%を「上限」として指値オペを実施するを、1%を「めどに」指値オペを実施するとしたところです。これは想定を超える長期金利の上昇が見られる為、1%に明確な壁を作ってしまうと、そこで市場と対決することになる可能性があるからだと思われます。そうなると、指値オペを連発することになり、円安もより一層進行する可能性があります。よって、1%を超えても指値オペを実施しない可能性があるというニュアンスを持たせることで、金利上昇狙いの為に仕掛ける投機的な動きを抑制する意味合いが大きかったと思います。

 また、YCCの解除に向け、指値オペをしなければならない状況というのを無くすことで、実質的なYCCの形骸化を狙う意味合いもあったと思います。突然マイナス金利を解除して金利を上げます、と言うと、市場へのマイナスインパクトも大きくなると思いますので、今後に向けて徐々に動き出している段階と思われます。

 しかし、その解除までの道のりは遠い状況。日銀の言葉を借りるならば、賃金と物価の好循環がなされていなければいけません。要は、円安によるコストプッシュ型の物価高ではなく、賃上げが物価に反映されている事を確認する必要があります。

 そうなると、少なくとも来年の賃上げは見なければなりません。そして、それを持って改めて物価見通しを立てた際、翌年の物価が目指すべき2%のインフレ率を超えている必要があるかと思います。現状、日銀は25年の物価見通しを1.7%としています。これは賃上げが物価に転嫁されきっておらず、理想としている2%に届かない、企業はそのレベルの賃上げしかしない、と考えていることになります。随分、弱気だなと感じましたが、円安進行の終焉とともに、日本はインフレも終焉すると考えているという事でしょう。


 よって、この日銀の政策修正、そして植田総裁の発言を加味した際、日銀は当面YCCを解除しないだろうといった捉え方になります。その為、金利は上がらないという見立てとなり、火曜日の会合後は一気に2円も円安になったと思われます。(前日の日経新聞でYCC解除への期待が高まっていたが、結果微修正だったことで、市場はがっかりした、というのもあったのかもしれない)


 以上の事柄を考慮した際、日本は実質的に金利の抑え込みの義務は無くなった為(YCC形骸化)、今後はある程度市場に委ねられる。しかし、アメリカの金利は今後、近いうちに下落トレンドに転換する可能性が高い。よって、ドル円に関しては円高圧力がかかり始める可能性があります。しかし、依然として各国との金利差は大きい為、極端に円高に動いたりはしなさそうです。

今週の重要材料はこちら!



◾️テクニカル観点の展望
・4時間足的には転換の可能性有り。
・日足的にはまだ上昇トレンドだが、チャネルラインまで下落の可能性。
・週足的にも上昇トレンドだが、上値が重い展開が続いており、下落前の予兆かも。
・ただし、下落バイアスをかけない方が良さそう。

 先週のドル円は材料で乱高下。テクニカルはあまり通用しないような相場となっていました。あまりにも強い円安圧力によって、下落方向に動かない事がテクニカルが通用し辛くなっていた要因だったと思います。(他通貨ではあっさり利食い出来ていた)ただ、ようやく世界的に金利が下落しそうな展開となってきている為、今後はもう少しやり易くなるかもしれません。

 4時間足としては久々に確定的にSMA100を破りました。日銀政策金利決定会合にて高値更新しましたが、その後のアメリカFOMC、雇用統計で下落。久しぶりにチャネルラインの底辺に迫っています。ここをブレイクした場合、テクニカル的には大きな下落が生じる事が想定されます。しかし、この展開でここまで何度も噴き上げているのがここ3ヶ月のドル円。ここで本格的な下落に繋がるのかは要チェックかなと思います。


 日足としてはまだまだ上昇トレンドの最中。しかし、神田財務官のスタンバイ発言でチャネルの上辺に到達する前に下落。やはり上昇すると、そういったテクニカル外の要因もあり重くなっていく展開です。テクニカル的にはまだ上昇する可能性もありますが、ここ3ヶ月間、チャネルの上辺付近に居続けていますので、流石にそろそろ下押しする可能性もあります。転換する前には荒れる展開も予想されますが、ファンダメンタルズ要因に変化が出始めている為、4時間足が転換した場合は、先ずはチャネルラインまで下落する可能性を考えておいた方が良さげです。


 週足的には151円あたりの前回高値付近の抵抗圏に到達。こちらもまだチャネルラインまでは上昇する余地があります。ただ、今週は久しぶりに上髭+陰線となりました。ここまで陽線が続く展開は久しぶりだと思いますが、そういった展開は逆行する時の勢いも大きくなるもの。ここから陰線が続いた場合は少なくとも145円あたりまでは押していきそです。そこから再度上昇が再開するのかどうかはその時のファンダメンタルズ要素次第だと思いますが、日足レベルで転換した場合は週足の転換も視野に入れた方が良いかもしれません。


 それでは今週もがんばりましょう!

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